舞姫

 

 ある日の舞踊ショー、さだまさしさんの「舞姫」で踊る方がいらっしゃいました。それはもはや1曲分の短いお芝居のようで…

主人公の舞姫の切ない一生が目の前にはっきりと浮かんでくるようでした。そこからずっとその曲が気にかかり、私なりに舞姫のストーリーをどうしても書いてみたくなりました。恋人は果たして不実な旅人だったのか、それとも…。彼女の純愛を結実させてあげたくて書いたお話です。

 

 

あらすじ

 吉原で名妓と名高い芸妓・白絹は、旦那も持たず花魁としての年季があけても吉原に残っている。名だたる旦那衆を袖にして、ただ自分の芸の力でのみ生きる白絹を妻にと望む侍・齋藤。齋藤は白絹の後輩である朝顔から、白絹が一人で吉原に留まる理由を聞き出した。彼女は愛しい男を十年も待ち続けているという。白絹の恋と、その結末は…。