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最近 出逢いがあり鞄を新規に替えた
ふと出張で歩いた道すがらに見つけた鞄 そろそろに新しくと思ってはいたが 出逢いは突然…いや必然に遇うもので
この日は 飛び込みで入る食事の店も 前夜・昼・夕共に『大當り』であった
さてさて本題である 本革の鞄を旧暦の正月より使い始め誠にめでたいことと喜んで 今日も出先で眺めていると
何か懐かしい匂い…そう 本革の香りである
香りは記憶を蘇らせる…
まだ幼少の頃 その頃は住居の裏には田んぼがあり 秋から翌春までは子供たちの運動場となり 近所の歳上の子らに野球をして遊んでもらった
子供の頃から球技は苦手だったが 兄弟のないぶん歳上の男の子たちに連れ出されるのは愉しかった
その球技の苦手な子供に 叔父が中日ドラゴンズのユニフォームとドラゴンズカラーの青いグローブとを買ってくれた
4歳で父と死別以来は 父の代わりのような人であった
グローブを自慢に田んぼ球場に参戦するのだが(球はカラーボールで却ってグローブは邪魔だったが…)試合が終りグローブを外した右手が革臭く 嫌だった想い出
それから歳を経て 小学校に上がるときに買ってもらったランドセルがこれまた本革で やはり嫌な臭いだったなぁと...臭いは今は全くもって気にならない匂いとなり…
と子どもの頃を思い出していた
御座敷へ赴く

お名指し(指名)でお座敷にお呼びいただけることは 誠に有難いことといつもながらに感じる
お座敷に向かうのは 武士が戦へ赴くような…とは 大袈裟ながら
鎧ならず座敷着に身を包んで 刀ならぬ扇子を持って
その他には手拭い・懐紙・名刺入れを懐中をし
扇子は御座敷には必ず帯に『小扇子』を差す これは踊りに使ったり風を起こす 用途のためではなく威儀的な道具で
挨拶をするときには『結界』として使ったり もちろん風を起こすこともあるが やはり武士の刀に匹敵するものと思う
刀は一振りや一本等の数え方があるが 大刀小刀が揃えば『膳』を使うが
我々芸者の大刀に等しく思うのは 舞扇である
この舞扇があれば 座敷で舞うことが出来る…ということはこれで仕事が出来るわけで
鎧一領刀一膳 これにていざ御座敷へ