糸魚川翡翠が届きました。
小滝、姫川、青海・・・
40年前に拾い集めたという、川翡翠や海翡翠、岩翡翠を加工したものなど。
本人が拾ったんだから間違いないわ。
採掘禁止になる前のものです。
山々、渓谷を駆け巡り集めた翡翠は、その当時の苦労話や見つけた時の感動エピソードがそれぞれついてくる。
「これはね、沢をのぼって疲れてもう諦めかけた頃に滑って転んだ目の前にあったんだよ」とか
「夢の中で蛙の背中に姫様が乗って出てきて、居てもたってもおれず雨の日に探しに行ったらあったんだ。蛙が石の上に乗ってたよ」とか
そんな大切な石たちを少し分けていただきました。ほんとに値段付けられないよね、なんて言いながら40年間の翡翠ハンターの歴史コレクション代として付けて貰いました。
良いお値段ですがそれなりの歴史感あるお品ですからね。

これは小さな翡翠ですが、私のコレクションにしました。よく見られるタイプです。



翡翠は正直、手にするのは控えていました。
石の好きなものにとって、水晶から始まり色石に行って最後は翡翠に落ち着くと言われています。
本当に翡翠は深くて難しい。
確かに翡翠に取り憑かれたら最後、これだけ魅力的な石は他に無いと思います。
古代から愛されてきて高貴な人しか持てなかったのもわかる。
だから最後に翡翠に手を出すつもりだった。
他の石に目もくれず、にならないよう避けてたところがあるの。

これは私の住む唐古鍵遺跡から出たもの。
翡翠の本にも載ってました。

業者として見るならば
ミャンマー翡翠のほうが安くて緑が綺麗であったり、透過性が優れていたり、色味を足したり含侵加工しやすかったりと手軽に入手出来て、販売職タグには本翡翠と書かれていたりします。
糸魚川翡翠と書いててミャンマー産だったりすることもありますけど、専門店であってもね(あ、いけない。お口チャックでした❗)
糸魚川翡翠を扱う店員さんが鉱物学としてどこまで勉強してご存知か、てところもありますし(仕入れ段階で糸魚川でないものを掴まされたら、ね。見た目分かりにくいものですが、鑑別したら大抵わかります。しかし内々でどうするかは裏事情・・・)
色味が濃いのばかり好まれたりするし
本当に難しい石なんだよね。

スピリチュアル的に見たとして
翡翠は古来から霊石のひとつとして、最高峰にあたる代物です。
そんなものを私が扱うのは畏れ多い。
しかし、人の手に渡りその人の体温や皮脂、波動を受けて色に深みが増したり変化していく様を見て、避けていた私も翡翠の魅力に取り憑かれ、原石から勾玉をその場で作成していただき身に付けるようになってから沸々と日本人としてのDNAが呼び起こされる気がして、ますます日本人が大切にしてきた知恵を学んだりする機会がふえてきました。
また、癖のある石でもあるのかな、翡翠は翡翠だけ、強いて言うなら水晶くらいで他の石と合わせると翡翠に負ける気もします。
他の石と一緒にしたら翡翠が焼きもち焼いて拗ねてしまった、なんて言う人もいたりします。本当のところは未確認で私はわかりませんけどね。
翡翠勾玉の添え玉に起死回生の黒い玉を付けて首からぶら下げてたら翡翠が白っぽくなってしまい、玉を外したら元通りになった経験はあります。
とにかく生きてるような、呼吸しているような、石がちゃんと意識持ってるような気持ちにさせられる、何とも不思議な石、翡翠。

一粒でもいいから古来日本の叡知が込められているであろう大地の欠片、翡翠を手にして大切にしていただきたいという想いが強くなり、今回お願いしてサンプルの粒を借りることになりました。


ひとつとして同じものがないのです。
そこがまた面白いところです。