7月9日金曜日~その10




(写真)会話はガラケー。ブログをアップする時のみスマホ。家にはパソコンは無し。これで商売上、何の不便もありませぬ。それだけに、苦心惨憺した末に、ポッドキャストなるものにたどり着き、エムカクさんとの電話で教えてもらっていたKBS京都ラジオ『角田龍平の蛤御門のヘン』を聴きましたぞ。エムカクさんの喋りは、話の整理が出来ていて、実に判りやすい。私への気遣いも伝わり、思った通りの人でしたなぁ。それにしても、パーソナリティーのお二人のトークでの分析と例えが最高に面白い。ひとこと申し上げるなれば、私が"エムカクさんへ"とブログで問いかけた方法ですが、吉本興業のマネージャーに言えば簡単に連絡も着いたでしょうが、便利過ぎると何も起こらない。ブログを見た人の好意を介してエムカクさんに伝わり、お手紙を頂き、お返事を書いて、ようやく対面するとのプロセスこそが物語。SNSとアナログの融合となり得るのです。そして、私が興味を持ったジャンルの映像を記録した、S54年~57年のベータ60本、S58年~H21年のVHSテープ2225本、H16年~21年のDVD516枚、H21年~今日までのBD665枚の中で、エムカクさんが必要とする映像があらば提供しようと思ったのは、先ごろお亡くなりになった、メディアプロデューサー 澤田隆治さんが、河内音頭の創作活動に必要な浪曲の貴重な資料を提供して下さった時の「自分より必要としている人がいるなら、惜しまず渡すと、その価値が高くなる」とのお言葉の影響が大なるところでしょう。澤田さんの遺作は、ルーキー新一師匠の評伝。実は、ルーキー師匠が発表したレコードを探しておられて、私も提供させてもらいましたが、どうしても最後の一枚が見つからない。あるコレクターの方が所蔵していて「貸して欲しい」と頼んだところ、返事はNO。結局、遺作はその一枚が欠けた形で出版されました。こんな残念なことはありません。澤田さんの著書『永田キング』に「近年、大衆芸能の色々なことを調べているが、60数年前、私が駆け出しの演出家でいた頃、言葉を交わした芸人たちが、いま私が知りたいことの当事者であったり、関係者であったりした人が多くいたのに、私は何も知らず何も聞かなかった」「悔やまれてならない」との記述に続いて「私自身の経験から、私は若い人からインタビューを受けるときは、極力断らないことにしている。また、インタビュー内容も、余計かもしれないということまで話し、伝えることにしている」と云う澤田さんのお気持ちを、僭越ながら継承しようと思っているのです。それだけに、まさに余計なことかも知れませんが、エムカクさんには必要な資料と情報は全てお渡しします。