1月8日金曜日~その8



(写真)P345~347「1980年(24~25歳)8月中席 なんば花月の出演記録」を読んでの追加資料。此れは、楽屋に貼り出される出番表。終演後、事務員がゴミ箱に捨てて、翌日の出番表を貼る。それゆえに、消え物。毎日の事なので吉本興業にも日々の出番表の保管はされていません。8/16の2回目は、さんま兄さんの後。8/17の3回目が、やすしきよし師匠の後。吉本へ入る前の1年間、松竹芸能の新花月と角座で河内音頭界の先輩のギターを弾いていましたが、あちらでは序列を重んじて、新人の前に大看板を出す事は皆無でした。それゆえに、特別な気持ちで剥がして帰ったのでしょう。吉本はテレビのスケジュールを軸に出番を組みますから、こんな恐ろしい状況が起こり得るのです。

(写真)劇場の切符売場の前に、出番の電光掲示板が置かれていました。此方は、8/18(月)。当日の日記によりますと、さんま兄さんは、読売テレビ『やすきよの腕だめし運だめし』の収録後、女装して水槽へ入ったので、慌てて楽屋風呂に飛び込み、文珍さんの出番の間に準備を整えて高座へ上がられました。普段は収録を13時に終えて、化粧を落として髪の毛を乾かして、直ぐに正面玄関から南海通りへ出て、二見の豚まんを右に曲がり、鴈治郎横丁を全速力で走って、千日前通りでタクシーを自分で拾って乗り込む。時刻は13時15分。湊町から阪神高速へ上がって出入橋で降りる。福島駅の踏切をタイミング良く突破出来ると、13時30分からの朝日放送ラジオ『ポップ対歌謡曲』のオープニングに間に合うのです。既に司会の上岡龍太郎師匠は喋り出しています。踏切で足止めを喰らうと「さんま君はまだ来ていません」となる。たぶん、此の日は『全国高等学校野球』の中継でON-AIRは無く、劇場に居残ったのでしょう。『ポップ』があると、14時の終了後、直ちに日産ギャラリーをタクシーで飛び出して、南海通りの入口で降車。全速力で走って劇場の正面を突っ切り、楽屋へ雪崩れ込んで、仁鶴師匠の前あたりの出番に駆け上がっていたはずです。月曜スケジュールは『花の駐在さん』が始まっても同様に続いていました。
(写真)さんま兄さんとの初のツーショット。千秋楽。