3月10日日曜日~その2



(写真)6日付、スポーツニッポン連載「菊水丸店主 珍宝堂」

※提出原稿
「浪花の春は相撲から」と言われる季節の到来です。力士一行が大阪入りする2月の末、雪が舞い散ることも珍しくありませんが、今年は暖かい日が続き、いつもの大相撲春場所とは違う空気感がございます。何より、平成の大横綱貴乃花光司さんの姿がないのもさみしい限りです。
変わらぬものは、2月8日と9日に掲載された春場所前の『元貴親方×菊水丸スペシャル対談』。今年で3回目を数えました。相撲協会を退職されたからか、ざっくばらんな雰囲気で話に花が咲き、気がつくと3時間を超えていたのです。
終了後、貴乃花親方退職を特集した『大相撲ジャーナル』にサインをお願いしました(写真①)。「こんなのが出ていたのですか」と苦笑。続いて、昨年の対談の紙面を差し出すと、日馬富士による暴行事件で負傷した貴ノ岩が土俵へ復帰することに「気持ちは乗ってきている。新しい夜明けになっていけたら」と愛弟子にエールを贈る親心が見出しになっています。一瞬、複雑な表情となり、ペンを走らせながら「ああ…」と小さな溜息が聞こえました(写真②)。そらそうでしょう、協会との対立の末に退職。そして、離婚。貴ノ岩が原因とは言いませんが、大きく関わっていることは事実でしょう。一連の騒動は、何と貴ノ岩が加害者となり引退して幕。結果、一番の被害者は貴乃花さんだったのですから…。この二品こそ、まさに珍宝でありましょう(写真③)。