わかさぎに ほのめく梅の 匂いかな  久保田万太郎

 

梅の時期に入荷してくる「ワカサギ」には独特の香りがあリます。いつも手のひらに載せて嗅いで見るのですが、川の匂いやキュウリの匂いがするという人もいます。それは、とうていおいしそうな匂いではありませんが、初春を知らせる香りということなのでしょう。

 

 春告げ魚の一つ「ワカサギ」は背は薄黄色で腹部は銀色ととても可憐な姿です。本来鮭や鱒のように淡水で生まれ、海で育ち再び淡水に戻る習性の魚なのですが、最近は陸封型の魚としてのほうが知名度があるようです。当店では天ぷらや南蛮漬けはもちろんのこと、大きめのワカサギを素焼きしてから梅煮したものがとても人気となっています。