令和6年6月12日 小潮 旧7日 晴れ
「中泊でイサキが良くなったみたいで。行ってみるか?」
「今年もイサキ祭りが始まったかな。行ってみるか。」
ということで、今年もO君と二人で、竿を出してきました。
平日にも拘らず、15人ほどが乗船、朝5時に港を出港した渡船は、七十バエエリアを目指します。
船長が指定したのは、小・中潮で波のない時にしか渡磯できない“花見バエ”です。潮位が高いと、3箇所ほど残して、波に洗われます。
3号遠投竿も用意はしていましたが、今回はO君に合わせてフカセ釣りに徹する(?)つもりでした。
弱い満ち潮が、クロハエとの水道を磯に当たりながら流れています。フカセ師O君の見立てで釣り座を決め、二人で同じポイントに仕掛けを入れます。
マキ餌をしていると、エサ取りの下にイサキが素早く走っているのが分かります。まず、O君に良型イサキが2、3枚当たりました。
フカセ釣りに不慣れな私は、仕掛けを流すポイントが微妙に外れてしまいます。遅ればせに私にも34cmのイサキがきました。
O君はポツリポツリとイサキを追加していますが、彼は基本的には“グレ師”です。
「潮の動きが悪いなぁ。イサキもいいけど、梅雨グレの姿が全く見えない。」
と、嘆いていました。
10時前には満潮・潮替わりのはずですが、周辺は潮流が複雑で、その上、動きの悪い小潮とも相まって、潮が読めません。
フカセでのイサキ釣果が落ちてきました。カゴ釣り人の私は我慢できず、フカセ竿を置いて、遠投竿を出してしまいました。
今回の満ち潮は概ね西から東へ流れていましたが、引き潮は概ね北から南へ流れ、約30m沖に弱い潮目が確認できます。そこへダイレクトに仕掛けを投入すると、1投目からスッとウキが消えました。釣れたのは36cmのイサキです。
磯周囲は潮が動かず、“池”のような海になりました。イサキの姿は消え、黄色いエサ取り魚だらけです。カゴ仕掛けを持っていないO君は打つ手なし、といった状態です。この季節、魚が釣れないと、紫外線の強い暑さを身体全体で感じてしまいます。
一方、カゴ釣りに切り替え、沖の潮目を攻めた私には、イサキの釣果復活です。同じ潮目で3枚とは続きませんが、仕掛けの投入点を変えると、中~良型のイサキがウキを沈めてくれます。
フカセで釣ったヒラスズキや小型のアカハタを含め、クーラーには25匹ほどの魚が入っていました。カゴ釣りで釣果を伸ばせた結果です。
「フカセ釣りは、潮が動かないと話にならないな。今日はイサキ小祭りや。」
O君は、満潮前から引き潮になってからは“釣り”を半分あきらめていましたが、海に帰した28cm未満のイサキを含め、10数匹釣り上げたそうです。
12時になりました。潮の動いているポイントを狙いながら、あと30分、竿を振っていたかったのですが、片付けの時間です。O君はすでに道具を収納して、磯に散ったマキ餌を洗い流しています。
12時20分、サメも逃げるような“派手な色”の迎え船がやってきました。私たちを乗せた後、残り数組を拾って、無事帰港です。
機会があれば、磯釣りを引退したT顧問に魚を届けようと、以前から考えていました。連絡してみると、受け取ってくれるとのことです。“道の駅みま”で待ち合わせ、久しぶりに元気なお姿を見ることができました。
「雑魚しか知らない我が家の冷蔵庫に旬のイサキを入れたら、冷蔵庫が、“盆と正月が一緒に来た”言うて喜ばい!」
と、相変わらず意味不明なお言葉です。
でも、さすがはT顧問、お返しにと、二人分の本格コーヒーパックを用意していました。“気遣いの人”健在でした。