今朝は、各地で今季最低を記録したようです。

むつは0.5℃。冬が始まりますね。

 

酸ヶ湯は-0.5℃、

休屋は1.0℃、

むつに住んでいると気付かないかもしれませんが、

むつは山間部の温泉地と肩を並べる気温の低さです。

 

もちろん今日のむつが他の地域よりグッと大きく冷え込んだというのもありますが、

【むつ】と【青森】、【弘前】、【八戸】などの地点を平年値で比較すると

平均気温、日最高気温、日最低気温のいずれも低い事がわかります。

より北にある【大間】と比べても【むつ】の方が結構寒い事がわかります。

 

だからどうだというつもりはないですが、

なんとなくだと分かりにくい事が多いです。

 

住宅設計における温熱環境設計や暖房計画、

なんとなくになっていませんか?

 

前段が長くなりましたが。

 

 

KMEW DESIGN AWARD 2020(審査員長:竹原義二氏)において

7年連続の入賞が決まったと連絡がありました。

連絡を受けていたのは3週間も前でしたが、ブログをしばらく触っていませんでした。

 

 

 

毎年豪華な表彰式と、なかなか見られない建築の見学に、前泊の宿泊と航空券付きで招待して頂いていましたので、今回もとても楽しみにしていました。

 

竹原先生から直接お話を聞けるのもとても貴重な機会で、自分のレベルアップに繋げて来ましたが、

今年は新型コロナウイルス感染予防のため表彰式自体を中止するとの事です。

 

窯業系サイディングメーカーではあるものの、SOLIDOという無垢セメント板、外壁にも使えるカラーベスト(コロニアル)など他社にはない素材の他、金属サイディングもあり、窯業系をほとんど使わない私も大変お世話になっております。

 

最優秀賞とかではないですが、毎年1200作品を超える応募の中から30作品ほどの入賞なので(今年の数はまだ知りません)、7年連続というのは奇跡だと思います。

応募に協力頂いた住まい手さん、建築に携わったすべての皆様、そして

「今年はもう応募しなくてもいいかな」と言っても、

「いやいや、私のメンツのためにも、お願いですから出して下さい。」と正直に応募を促して下さったメーカー営業担当の方に感謝いたします。

 

 

前回の投稿で、

 

「北海道は青森県より寒いんだからいっぱい断熱して当然」というのは間違いだと言いましたが、

計算根拠としてまとめました。

 

PHPPという世界的に公正なプログラムで計算され、

パッシブデザインに則った正当なエコハウスを元に計算できればと思い、

今年完成、パッシブハウス認定された、福島パッシブハウスの計算データを

設計・施工された菊田工務店さんからお借りし、

計算させて頂きました。

 

「福島パッシブハウス」は福島の気候に最適化して設計施工された素晴らしい性能の住宅です。

この住宅をそのまま北日本の各都市に建てた場合の年間に必要な暖房量、そして冷房&除湿量を計算してみました。

 


 

 

 

暖房について

福島、仙台を1とすると

山形や盛岡、八戸は2くらい

むつ、青森、秋田は3くらい暖房が必要です。

 

むつ、青森、秋田は、

札幌、帯広、函館より多くの暖房が必要になる事がわかります。

旭川には及んでいませんが。

 

これは気温の他に、冬期間の日射量が大きく関係します。

 

 

冷房について

むつは札幌、旭川、函館と同等の冷房で済む事がわかります。

青森はむつの1.5倍、

秋田、山形、福島、仙台はむつの2倍の冷房が必要です。

 

 

 

もっと細かく計算して分析すると、もっと細分化した各地域、夏や冬だけでなく中間期など、

色々見えてくる事はあると思いますが、

むつは北海道より暖かい、というのは外気温の話であって、

パッシブデザインを重視した超高断熱な家を、

同じ性能、同じプランで、札幌とむつにそれぞれ造った場合は

むつに建てた家の方が寒い事がわかります。

札幌とむつ、実際に建てられている家は比べるまでもありませんね。。

 

「性能なんて当然の事として、より〇〇な住まいを!」

「家づくりで大事なのは性能ばかりではない!」

という事には100%共感します。

 

それは最低限の性能が担保されてこそ言える事。

例えば、結婚相手に高収入は求めない!といっても

食べていく物にも困ってしまうほどの低収入ならば

他が最高に相性の良いパートナーでも結婚生活に行き詰ってしまうかもしれません。

 

結婚相手なら今後収入が大きく改善する可能性がありますが、

暖房負荷(暖房需要)は、建てる時より遥かに大きな費用を投入しないと絶対に改善する事はないです。

また、エネルギーの単価は今後も増大していきます。

あなたがこの位あれば安心!と思う性能、

依頼する会社が「ここまでやれば十分」と思っている性能、

どちらも疑う必要があると思いませんか?

 

全国展開の大手ハウスメーカーとか

全国FCや断熱工法VC(たくさんある〇〇工法とか〇〇の家)みたいなやつでは、

北海道は別仕様っていうのは良くあります。

 

青森は本州仕様?

北海道仕様でも足りないのに?

 

または

 

青森が北海道と同じ断熱仕様の場合、全国同じ仕様だったりしませんか?

 

関東以南の地域でかなり高性能だというレベルでも

秋田、青森、北海道では、普通の家でしかないですよ。

 

普通の家でも住めますけど、

普通の家に払うにはそのブランド料、高くないですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田県の西方設計、西方先生が興味深い情報をシェアされていました。

 

グラフをお借りしています。

 

北海道住宅新聞(7月15日)に掲載された、

2018年度北海道で新築された住宅のUA値の統計

 

 

■2018年度 新築住宅UA値

(UA値は外皮の断熱性能を示す値で、低いほど住宅内の熱が屋外に逃げにくい)

 

1. UA値018W/m2・K以下(トップランナー相当)=0.1%

2. UA値0.22W/m2・K以下(ハイレベル相当)=0.3%

3. UA値0.28W/m2・K以下(スタンダードレベル相当)=19.9%

4. UA値0.36W/m2・K以下(ベーシックレベル相当)=23.0%

5. UA値0.40W/m2・K以下(ZEH基準相当)=11.9%

6. UA値0.46W/m2・K以下(ミニマムレベル相当)=32.5%

7.未計算=12.2%

 

昨年の12月に北海道住宅新聞社の白井編集長からお話を伺う機会があり、

北海道、特に札幌周辺の最新の動向を伺っていたので、ニュアンスは把握していましたが、こうしてグラフで整理されているのを見ると、建売などの分譲住宅も含めてのデータですから、青森県、下北はまだまだ断熱後進国だと思いました。

 

 

だって北海道は寒いだろう・・・?

 

 

むつ市と比べると札幌は冬の気温が2℃ほど低いです。

 

青森県でも青森市、弘前市、むつ市など冬の日射が少ない地域は

 

年間暖房需要、年間暖房負荷(一定の温度を保つ場合に必要な暖房熱量の年間の合計)

 

を比べると、超高断熱+日射熱を活かす設計をした場合には同等になったり逆転したりします。

 

簡単な言い方にすると

【むつー札幌で2℃、むつー帯広で5℃ の冬の気温差。

冬の日射熱はむつや青森の方がずっと少ないので、

同じスペック、プランの家を建てても、

その気温差を逆転し、よりたくさん暖房が必要になる事もあるのです。】

 

菊池組は現在、UA=0.18~0.26の範囲ですので、

北海道で建てられる住宅の上位2割以内の枠の中に納まっている模様です。


UAは暖房を少なく経済的、快適な住まいを目指した後の結果論ではありますが、

 

冬期の日射が少ない地域では、良い家を目指していくと自然と低くなるものです。