ちょっと今回は真面目なブログです。

 

インドに新幹線がもうすぐ走り、中国を牽制する意味でも日本はインドとの親交を深めていくのは良いとも思います。

私は北欧で医療系のアメリカ資本の会社で働いているので、インド人の同僚が結構います。生化学や生物学や医学をインドで専攻してヨーロッパでマスターやPHDを取ってそのままインドに帰らないパターンが多いようです。みんな人の良い明るい賢い人ばかりです。

ご存知のようにインドの、公式には廃止されていると言いながら、実はヒンドゥー教から完全切り離し不可能なカースト制の弊害により神学司祭や医療系の学部に行けるのは未だ上級カーストの裕福な家に生まれた子が多く、自然、下級カーストの子は他の学部へ、そして2億人とも3億人とも言われる最下層不可触民は昔なら大学へ行くなどとんでもなかった、というかインド人として登録もされてなかったと聞きますが、労働者層と不可触民出身で大学で勉強したい頭の良い子の場合、情報工学ITに集中することになります。

なせか。実は理由は簡単で、ITというものはカースト制の作られた時代に存在していなかった職業なので、カースト制からの、いってみれば職業カテゴリーとカースト対応という差別規制を全く受けてなく、誰でも学校の成績次第でIT学部に進学して学べる訳です。それだけが理由という訳ではないでしょうが、インドはITエンジニアで溢れています。私の今の会社も前の会社もヘルプデスクやITサポートをインドの会社に委託しています。朝から晩までヨーロッパ時間にあわせて一生懸命対応してくれているのはありがたいものです。

 

ですが、最近分かったのは、インドにはとんでもない数のIT関連の詐欺集団も存在してることです。インド人にとっては英語は公用語なので、アクセントがあるとはいっても、巨大なマーケットとして、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアに普通にアクセスできる訳です、、、詐欺の対象として。

14秒に一人が詐欺にあい、平均一回につき約1000ドル奪われているらしいです。アメリカだけで2022年には88億ドル詐欺被害が報告されてるようです。最も被害を受けているのは70歳以上の人らしいです。PCやパッドを使っているものの、専門用語などで捲し立てられると途端に自信をなくして途方に暮れ言われるままになってしまうような卑劣な弱者狙いです。

 

詐欺集団がいるのはインドだけはないことは当たり前ですが、やはりインド人が異常に多いようです。

 

しかし、

 

そんな詐欺集団に立ち向かってるユーチューバーもたくさんいるんです。 

 

私は直接関わっているわけでもないし、確認等取ってないので、リンクは貼りませんが、有名なユーチューバー、私のサブスクライブしているユーチューバーの名前を日本語で書いておきます。興味なある人は調べてぜひ見てみて下さい。

 

スキャマー ペイバック     700万人超えのサブスクライバーを持つ、恐らく最強のスキャマークラッシャー。被害に遭った人を金銭的に助け、今まさに詐欺師に騙されようとしている人を見つけ電話で突然割り込んで、今話してるのは詐欺師だ、と暴露するほか、詐欺集団のPCのファイル消去など、被害者リストの確保。同志を集めてグループで詐欺集団に対抗しています。凄い人。

 

リノア アンチドッテ / リノア ポイズン     詐欺師を揶揄い精神異常にさせてしまうのかと思える、話術。ゲラゲラ笑えて痛快のビデオがいっぱいです。

 

スキャム サンドウィッチ     高齢な老人になりすまし、引っ張るだけ引っ張って必要情報を詐欺集団から抜き取って暴露します。

   

トリロジー メディア     実戦型。2人1組で、アメリカ国内の中継点に張り込んでダミーのお金を送ってそこを取りにくる仲間を捕まえる体当たりユーチーバー。

 

キットボガ     10時間20時間に及ぶやりとりを通して、ファイルとコピー削除、詐欺師を発狂寸前に追い込むタイプ。

 

 

言語が英語ですのでインドの詐欺集団が日本をターゲットすることはまず無いでしょうが、どんな手口で騙すのかを、書いておきます。もしこれを読んで、将来、「あれ、この状況って、もしかして」と思ったら、すぐ銀行に連絡か警察への通報を考えてくれればと思い、ここに書きます。

 

1、メール、ショートメール、電話で、マイクロソフト/ノートン/マッカフィー/ペイパル/アマゾン/、、、などのふりして、契約延長の振り込みが終わってますが、キャンセルならそれは払い戻しします、などと連絡が来ます。払い戻し金額には200ドルから400ドルぐらいのようです。

2、電話をすると、それでは払い戻しするので用紙に記入して下さいと言われ名前等を記入させられます。

3、電子振込のための遠隔操作許可を求められて、プログラムをインストールさせらます。エニーデスクがよく使われるようです。そしてIPナンバーを告げると繋がってしまいます。(ここで、繋げたくないと言い張れたらここで終わって良いのですが)

4、銀行残高を確認させられます。

5、払い戻しの振込金額、例えば300ドルをみずから書かされ。エンター。 (ここで、払い戻しなのに何故貰う側が値段を打ち込むんだ、とか疑問を持って止められれは良いのですが)

6、電子振込のプログラムが映し出され、なんとマイクロソフト/ノートン/マッカフィー/ペイパル/アマゾン/、、、から300ドルじゃなくて3000ドルが振り込まれたことになっていて、当然向こうで勝手に操作した訳なのですが、詐欺師が「なんてこった!」や「あんたは桁を間違えて打ちこんだな!」とか「俺は首になっちゃう」と、大騒ぎ。(実際画面で見せているお金の動きは全て詐欺集団に作られたウソの画面で、一切お金は動いてません)

7、今度は逆に余計分2700ドルを詐欺師に返却しないといけないこととなります。(この時、別のPCやケータイで、本当の残高を確認できれば、ウソであることがすぐわかると思いますが、実際の銀行の送金が確認されるのはすぐではないので確認は難しいかもです)

8、その間、詐欺師は「あんたが書き間違えた、あんたのせいで俺が首になる」とめっちゃストレスかけてきます。

9、そこで返金するとなると、ここでなぜか、不思議と電子振り込みができないこととなり、銀行に実際に行かされ現金を下ろすか、ギフトカードとかゲームカードとかを2700ドル分か手始めとして1500ドル分買わされます。(この時点で、マイクロソフト/ノートン/マッカフィー/ペイパル/アマゾン/、、、の会社のお金をなんでギフトカードとかゲームカードで返却するんだ、手始めってなんだよ、って冷静に考えられれば騙されないでしょうが)

10、現金はアルミフォイルに包んで靴の箱とかに入れて指定の住所に指定の運送屋で送るように言われます。(アルミフォイルに包むって密輸と一緒じゃんって、思って踏みとどまれると良いんですが)

11、ギフトカードとかゲームカードが後ろの番号をスクラッチして送るように言われます。

 

こうして文字にしてみると、こんなのに引っ掛かるもんかって、思うでしょうが、事実常識のある人々がこれだけ騙されています。私など、仕事で毎日PCと睨めっこしているようでも、言われ方次第では、絶対騙されないと自信があるかと聞かれればちょっとわからないです。詐欺師らの中にはこれを5年間毎日繰り返してるベテランもいるようですし。集団といってもまるで会社形態で、2交代制で個々の売り上げを競わされているところもあるようです。

 

一度PCをオンラインで繋げちゃうとまた後でオンラインで入り込んでくる可能性があるので、引っかかっちゃった人は、PCを買ったお店や専門家の人に頼んでフォーマットして再インストールした方がいいらしいです。

 

 

誰も被害に遭わない事をいのります。

 

 

 

残念なことに、詐欺師の数は減らないどころか増えていくのではと懸念しています。ユーチューバーには地元の協力者を通して地元警察に摘発を頼んでも、賄賂を受け取って、遅れてガサ入れに来るとか、捕まえた次の日にすぐ釈放とか、公表された保釈金は安いのも、個々裏でもらってるからか。被害者はどのみちインド人じゃないし、って考えでしょうか。警察、検察が信用できない。ここが実は最大の問題でしょう。

 

インドという国はこれから伸びていくのでしょうが、日本は裕福でなくとも、身の回り家の周りを綺麗にして、勤勉に誠実に生きているのが普通と言って良いと思いますが、すなくとも大多数の日本人はそうだと思います。

インドという国は、ボリウッドの華やかな空想の世界の裏、モンバイのメインの道路でうんちする爺さん、神聖だからと言って、道路に牛野放し状態。 ヒンドゥー教もカーストも現代社会とのすり合わせが必要なのでしょうか、というかそんな擦り合わせが出来るのでしょうか。

 

 

根本的な体質が変わる日が来ることを祈ります。