やっぱり面白い!
笑わせる台詞があるわけじゃなく、
掛け合いの間と、
キャラクターの妙が
実に面白くて、
わかっているのに、笑ってしまいます。


ヤンさん演じるジゴロ=ダニエルは、
母性本能くすぐるタイプでありながら、パトロンに捨てられちゃうあたりが、絶妙にマッチしているし、
みきちゃん演じるジゴロ=スタン は、
軽すぎるジゴロそのもので その全てが可笑し過ぎる。
掛け合いの間と
見え隠れする内面を
自然と汲み取りながら
物語に客席がのめり込んでいく流れは、
脚本・正塚先生の旨さ。
金儲け話を 力説するみきちゃんの手が
写っている ナイスな舞台写真↑


宝塚グラフで
ヤンさんと正塚先生の対談を読み返してみましたら、

正塚「ヤンには、男っぽさと 男の優しさを出すように随分と言った」

ヤン「お稽古の最初は、ダニエルはなんか煮え切らない人だなぁと思っていたけれど、後半になり好きになってきました」

正塚「思いやりがあって、人の気持ちが分かって、自分が我慢する役だもんな」

ヤン「見ている人が、ダニエルはすごく優しいって、よく仰いますね。それも ベタベタした優しさじゃなくって」

正塚「夢のある可能性を秘めた奴だし、1人でも生きていける、ああ見えて結構 男っぽいんだよ。」

ヤン「そう、それで無口でしょ。なんか無口なところも 評判いいみたいです」

正塚「これで 男の可愛さが出たら最高だね。でも1番輪郭がはっきりしてない役ではあったから、最初は難しかったと思うよ」

いやいやいや、正塚先生、
主演が1番輪郭はっきりしてない役って(笑

でも、その 未知数を埋めるのが
ヤンさんのムードある男像なのですよね。
とにかくみはるちゃんは 可愛いし。
繊細なガラス細工を扱うように みはるちゃんに優しくするヤンさん。
兄妹の距離を保ちながら
これを表現するって すごいなと思います。
相手役との 設定された距離感を
客席もきちんと測れる演技って、
難しいと思うんですが、
ヤンさん以来では、
早霧せいなさんが 絶妙でしたね。
ルパン三世の時の
ルパンとアントワネット、
あの距離感は、誰でも作り出せるものではない。

あ、話が逸れました、すみません。



ダニエルの優しい台詞↓

「本当に大切なことは ひとつでいい
そこから 波が広がるみたいに
色んなことが 大切になってゆくんだ」

こんな優しい台詞も
ぴったりくる 不思議なジゴロ。


ヤンさんのこんなジゴロが際立つのは、
チャラすぎる みきちゃんジゴロがいるから。

軽過ぎるみきちゃんジゴロが 愛おしく感じるのは、
ジゴロでありながら 揺れ動く優しいヤンさんジゴロがいるから。

共に正面で迎え止める
ヤンミキの対比が
この作品の勢いとなり、
掛け合いの面白さだけでなく、
細かく当て書きされた 役 ひとりひとりが
個性が際立っていること、
そして、物語の ベースに流れる 人情ストーリーに ほろりと泣かされてしまう。

面白いだけじゃなく、
いい作品だなぁと 改めて感じました。

グラフより、
舞台裏ショット。
みはるちゃんの声が聞こえてきそう。

みきちゃんとよーこちゃん。
このカップルが 好きだわ。
紐を指に巻きつけてるあたりが
ヨーコちゃん演じるティーナらしくって
可愛いなぁ。
みきちゃんの相手役は、ヨーコちゃんでよかったのに。この気持ちは いつまでも 消えないなぁ。す