この手で君の頬を打った

まだ幼かった君の頬を打った

何度も何度も…

頬に手の跡が残るくらいの時もあった

口の中を切るくらいのこともあった

痛かったよね…

打たれた頬より心が痛かったよね

「ごめんね」なんて言う言葉じゃ足らないくらいだ

なんて言ったらいいのだろう

なんて言ったら

君の心の傷は癒せるのだろう…


この手で君の首を絞めたこともあったね

警報器の鳴り出した踏切で

その小さな手を引いたこともあったね

君はその度に哀しそうな瞳であたしを見ていたね


あの頃のあたしは

本当に君が居なければいいと思っていた

今でも少しだけそう思っているのかも…


君を愛することができなくて…

もう大人になった君は

そんなあたしに気づいているよね


あたしが泣くのはあたしのため…

うんきっとそう…


こんなあたしを許して欲しいなんて思わない

憎まれても仕方がない

恨まれても仕方がない

たとえ君に殺されても仕方がない


せめて君を愛したい…

今あたしにできることは

君を愛することだけ…

どんなに嫌われても

君を愛することだけ…

それだけ…



何故?

何故?

何故なの?

こんなに小さな命に

こんなに重い試練を…


あたしたちにできることは

「祈る」ことだけ…

悔しくて…

切なくて…


君の笑顔が涙を誘う

君の健気な仕草が心に刺さる

近くで見守る人たちは

どんなに苦しいだろう…


あたしたちにできることは

「祈る」ことだけ…

悔しいけど

切ないけど

ひたすらに「祈る」

心の限りに「祈る」


どうか助けてください…

どうか…

どうか…

どうか…

ありがとう…

ありがとう…

ありがとう…

あなたが生きていてくれることが

嬉しくて


あなたの姿が見える

あなたの声が聞こえる

そんな自分の身体に感謝


ありがとう…

ありがとう…

ありがとう…

どれだけ繰り返しても

伝えきれないこの気持ち…


恋じゃなくて

愛じゃなくて

友情でもない…

ただここに居るだけでいい

ただ見えているだけでいい


それだけでありがとう…