いりごま、わさび、海苔、ミョウガ。生姜、にんにく、ネギ、大葉。

 完璧すぎて、口に出したい言葉ナンバーワンじゃねとはしゃいでいる。今は大学の授業前だ。私は教室に到着して後輩のヤマダとおしゃべりしていた。暇だったから。

「先輩、俺は大根おろし、特に紅葉おろしが好きっすよ」

 それは入れなくていいんですか?とヤマダは口にした。いりごま、わさび、海苔、ミョウガ。生姜、にんにく、ネギ、大葉。紅葉おろし。これで九つか。それならキリよく、十にした方がいいだろう。私は薬味缶を眺めながら眉間に皺を寄せた。なんかいい言葉はないだろうか。もうすぐ授業が始まってしまう。私たちはとても暇な大学生だった。真面目な周りと違ってヤマダも私と一緒になって考えている。

「てか、なんで薬味缶を持っているんすか?」

「昼ごはん用」

 へー、変わってますね。とヤマダは引き気味にそう言った。私は好きな物を好きなだけかけたいんだ。マイ箸とかあるんだから、マイ薬味缶あっても不思議ではないだろう。

 いりごま、わさび、海苔、ミョウガ。生姜、にんにく、ネギ、大葉。紅葉おろしと後は何か。そこでヤマダがあっと声を上げた。

「先輩、鰹節とかどうです?」

「いいね!」

 いりごま、わさび、海苔、ミョウガ。生姜、にんにく、ネギ、大葉。紅葉おろしと削り節。

 天才すぎないかとヤマダと喜んだ。ルーズリーフに小さく書き残した。私たちはとてもアホな大学生だった。もうすぐチャイムがなる。まだ何も授業の準備はしていなかった。