雨が降っている。折り畳み傘が鞄の中に入っていた。ズボンの裾が湿っている。リュックを前に抱え、仕事終わりの帰り道。私は電車に揺られている。
今日は明日のイベント準備のために、1時間くらい残業をした。日中は包装や発送などに追われて、休憩は後回し。水筒の水を飲むたびに時計を見て「もう、こんな時間なんだ」と、言葉にならないうめき声をあげていた。
家に帰ったら、晩御飯を作らないといけない。米を炊くのを忘れていたので、今晩は麺の予定。出来たら外食が嬉しい。晩御飯を作ることがなによりも面倒くさい。誰か私以外が作った素麺が食べたい。ため息をついた。
天気予報では、明日は晴れらしい。洗濯物を干して仕事に行けたら嬉しいが、朝起きれるだろうか。
顔をリュックに埋めて、電車の揺れに身を任せる。このまま寝れたら、どれだけ幸せか。電車はもうすぐ最寄り駅に着く。外はまだ雨らしい。ズボンの裾はまだ濡れたままである。