後悔はたくさんしてきた。

 大学生の時、大好きだった部活での人間関係が悪化し、鬱みたいになった。病院に行って「消えたい」と書いたら、「死にたい」じゃないから鬱じゃないねと言われて、よく分からない薬だけもらった。その薬が合わなくて副反応が出て、でも、その先生を信頼出来なくて言い出せなくて。しんどかったから先生を変えるのもめんどくさくて。大学を卒業と同時に病院に行かなくなった。もう大丈夫ですって言って、薬もやめて仕事してたらまた具合が悪くなって、大学の時とは違う病院に行って鬱だと診断された。ストレスが常にマックスで、些細なことで泣いてしまう。上司とも合わず、「あなたと一緒に働いてるとあなたもしんどいだろうけど、僕の方がずっとしんどい」と言われたことは頭にこびりついている。

 最近まで鬱を引きずっていて、やっと元気になりだした感じ。まだ薬は飲んでいて、飲まないと具合が悪くなるんじゃないかと不安になってしまう。昔はこんなことなかったのに。


 3回生で部活を辞めていればよかった。そうすれば、病むなんてことにはならなかった。

 この仕事ではない仕事に就けばよかった。そうすれば、あの上司と出会わなかったのに。

 そもそも部活に入らなければよかった。そうすれば、自分を犠牲にすることはなかったのに。

 

 何度も何度も考えた。反芻して自分を責めた。あの時、こうしていたらよかったのに。後から後から解決策が浮かんだり、自分の対応について反省より後悔が押し寄せた。

 それが治り始めると次は、後悔だけに使ってきた時間を後悔した。もっと上手く仕事が出来るように時間を使えばよかった、みたいに。

 「この2年何をしてきたの?あなたの努力が足りなかったんじゃない?」と言われた。ストレスが常にマックスな私を知らない人にそれを言われて悲しくなった。あの頃の私は、本当に頑張っていなかっただろうか?無断で休んだり、鬱だから休職しますとも言わず、出勤だけでもしんどいけどとりあえず毎日出勤していた私がそれ以上に頑張ることが出来たのだろうか?あんなに辛かったのに。


 最近は元気になり始めた。人と話し友達が増えた。まだ自分で自分を肯定することは出来ないけど、友達が私の話を聞いてくれるだけで、受け入れてくれて嬉しかった。

 私は仕事を変えることにした。理由は鬱とは関係ないところにあるけれど、環境を変えることで更に元気になると思う。私は私を認めることはまだまだ出来ないけど、少しだけこう思うようになった。

 

 大学生の時、あの部活にいてよかった。

 居なければ私は今頃、自分を犠牲にするまで熱中できるものに出会えてなかったかもしれない。

 今の会社に入社してよかった。

 入社していなければ、今私を大切にしてくれるあの人たちに出会えなかったかもしれない。


 後悔はたくさんしてきた。

 消えない悲しみもある。

 でも、そのおかげで今がある。

 人生という長い物語の中で、起承転結は必要だった。その中の一部だったんだと思う。

 私はあんなに辛かった仕事を休まなかった。それだけは自慢できる私のエピソードである。


 後悔しかないこれまでの人生も、見方を変えれば後悔なんてない人生に変わる。時間が経てば笑えるようになるかもしれない。

 私は今より明日、少し前より良い自分になれるように頑張りたい。