深夜1時過ぎ。

 一度電気を消して、また付けて。頭を掻きながら、布団から這い出た。

 お腹すいた。ケータイで時間を確認してため息を吐く。怠いなぁなんて、呟きながら冷蔵庫の扉に手をかけた。

 確か、卵があったはず……。もやしを今から料理するのはめんどくさいから、ご飯の上に卵を乗せて食べたい。

 冷蔵庫の冷気が気持ちいい。一個だけ残していた卵を取り出す。風呂の換気の音しか聞こえない。窓の外は雨がしとしとと降っている。雨音は聞こえるような聞こえないような。静かだった。


 炊飯器を開ける。ほかほかのご飯を茶碗についだ。真っ白より少し黄色いご飯。時間が経ったご飯。炊き立てのご飯だったらもっと良かったのに。

 箸を口に咥えながら机まで持っていく。机の上に乗っているものをざっと片付け、お茶碗を置く。

「いただきます」

 私の長い夜が始まったのだった。