ひかりの陰影、そして雪の日。 | ルワンダのおうちから。

ルワンダのおうちから。

ロンドン→半年の東南アジア放浪旅→プラハ→またまた旅→ハーグ→インドネシア周遊→タシュケント→キガリ、と海外生活10年弱を終えて、2011年、東京に帰って来ました。毎日のお料理と、ぷつぷつの思いの記録。

雪は、周囲の音を吸うから、しんとした静寂がそこにある。
そして、ぼうっと明るくひかる白。


早朝、雪がとめどなく降るのを、暖かな部屋の中から、ずっと眺めていた。
でも朝が過ぎ昼が過ぎ夕が過ぎ、それでもなお、どんどんと降り積もるそれは、次第に少し恐怖になってくる。
隣の区で、停電を知らせるニュースが流れて、少し不安になる。


彼は遠くに出張に行ってしまっている。
でも私には安心だ。母が札幌から来てくれているから。
雪には慣れているから大丈夫、と言って笑ってくれる。


白い雪が降り積もるから、厚い雲が覆っているから、空は灰色で、地面は白色で、ものの陰影が曖昧になる。
その境目を、私は凝視する。


テーブルの上には、蝋燭を。
光と影が濃厚に映る。


写真は、ずっとひかりにあふれた明るいのがいいと思っていた。
けれども最近、仄暗い中にぼうっと浮かび上がるのや、ひかりの濃淡が際立っているのが好きだ。
夜の写真。ナイト・フォト。
うちは壁が白いから、蝋燭の灯がバウンスして、ぼんやりと部屋の中が明るくなる。


そうなると、骨董の、落ち着いた金彩や赤絵の食器がほしい。
きっとこういう環境で愛でるように作られているのだから。
先日、テーブルウェアフェスティバルにも行ったけれど、新しいものにはあまり興味がわかなくて、ほんの少し出ていた骨董店の古い伊万里や、有田の金彩を眺めていた。(さすがにお値段も立派なので、即決できなかったけれど)。


夜の景色を、愛せるようになってきた。


写真は、先日のほんのり和食メニュー。
前菜は、うにをのせたやわらかなお豆腐。
菜の花の辛子和えに、いくらをあしらったもの。


それに、水餃子(三鮮水餃、野菜とお肉と蝦)に、ココナッツロング(ミルクではなく)を使ったびり辛のたれ(しゃきしゃきしていて、ふんわりとココナッツが香って、とてもおいしい)とシャンツァイをあしらったもの(和食ではないな)。
なすの揚げ浸し、(気の早い)桜の生麩を添えて。


テーブルには緑の葉をたくさん飾る。
早く夏が来ないかな。