日曜日の夜に思うことと、ロー・キッシュを試作。 | ルワンダのおうちから。

ルワンダのおうちから。

ロンドン→半年の東南アジア放浪旅→プラハ→またまた旅→ハーグ→インドネシア周遊→タシュケント→キガリ、と海外生活10年弱を終えて、2011年、東京に帰って来ました。毎日のお料理と、ぷつぷつの思いの記録。

週末があまりにもあっという間に終わってしまって、呆然とする日曜の夜中。


それでも、ほんわりと身体の中が温かいような、余韻がある。
のんびりと熱いお湯に浸かって、ゆるゆると伸びをしながら、ちゃんと楽しかった、と確認する。
ちゃんと、と言うのもおかしいのだが、本当にそうなのだ。
楽しことが楽しくて、わくわくがちゃんとわくわくで、心が柔軟に弾むような。
そんな感覚を、忘れてしまうこともあったのだ。


毎日残業続きだった頃、土曜日の朝はもうただただ眠くて、ふたりでずっと眠っていた。
食事をとりに、やっと外に出るのが夕方の4時、なんてこともよくあった。
食後にのんびりしている時に、彼がぽつんと、昔は、爪とかぼろぼろだったな、と言う。
ストレスって、そういうところに出るんだよね。
そう。
日本の社会の中で働く、ということは、けっこうしんどい。
私達は特に、生きてゆきにくいほう、なので、余分に自分を削っているような感覚がある。


それでも。
今はふたりで、少しは、暖かくて安らげる場所を作ることができたと思う。
私は仕事を辞めて、彼は最近仕事の量を少し減らして、人間らしい生活をできる時間に帰宅するようになり、夜にふたりの時間ができた。
平日でも、夜に映画を見に行ったり、ジムに行ったりできるような。
休日にも、早起きをして、ゆっくり朝食をとって、おでかけ(美術館に行ったり、ドライブをしたり、お買いものに行ったり、水族館でお魚たちを眺めたり)もできるし、早めに帰宅して、念入りに料理をして、ワインを飲みながらのんびりと食事をしたりもできる。


そんな毎日が、私を待っている。


日曜日は、気に入りの美術館めぐり。
今日は、『クリーブランド美術館展』と『人間国宝展』そして『世紀の日本画』の豪華三本立て。
日本美術のうつくしさを、たっぷりと堪能する。


仄暗い、館内の照明の中で(元来、淡い蝋燭の光のような環境で鑑賞されるべく描かれているのだ)、ぼうっと浮かび上がる、燃えるように鮮やかな色彩、その伸びやかな描線。
うつくしい日本の芸術を、再発見するような展覧会に、心が震える。
そういう感覚を思い出すと、世界が鮮やかに色を取り戻したような、新鮮な喜びがある。


とても気分がいい。


なので、料理も楽しかった。
メインはお肉、と決めていたから、前菜は意識して、酵素がたっぷりとれるようなローフードメニューにする。
こんな風に、ローフードを楽しむのもいいよね、と思う。
(100%菜食で、生食、というのを実践するのでなくとも)。


スープは、きゅうりとマンゴーの冷たいスープ。ミントで香りをつけてある。
レシピでは、玉ねぎも一緒にブレンドすることになっているのだけれど、私はきゅうりのメロンみたいな香りと、マンゴーのフレッシュな香りをそのまま楽しみたいから、入れないことにしてみた。こんな風に、作っている途中に味見をしながら、臨機応変にレシピを決められるのも、ローフードの楽しいところ。


サラダはふたつ。
ひとつめは、チコリとりんごのウォルドーフ・サラダ。
ウズベキスタンの干しぶどうをたっぷり入れて、胡桃、りんご、ほろ苦いチコリとまろやかなナッツベースのソースで、とても食べやすい。
もう一つは、鮮やかな色あいの、金時人参と紫キャベツのサラダ、今日は柚子の香り。
無農薬の柚子の皮をたっぷり刻んで混ぜて、柚子の絞り汁と青い香りのするオリーブオイルで和えただけの、シンプルなサラダ。フレッシュなおいしさ。


それに、試作品のロー・キッシュ。
これは来週のお客さまにお出しできるように、練習中。
今日のもなかなか良くできたけれど、塩の加減とか、ナッツクラストの感じを、次回はちょっと変えてみたい。


そしてメインは、塩豚にしたポークリブのグリルを再び。
グリーンサラダをたっぷりと添えて。
ポークリブは、前回作った時に、彼がとっても気に入っていたので、また登場。
塩加減もちょうど良くできて、表面はかりかり、中はふっくら柔らかく焼けて、とてもよかった。
たくさん仕込んだので、次はポトフにしてみようかな。