先日何気なく「ブラタモリ」を観ていました。
内容は「しまなみ海道~村上海賊」について。
ちょうど旦那の実家はその辺りにあり
景色に馴染みがあるので
子供たちと「ご先祖様は村上海賊だったかもしれないね。」
なんて話しながら観てました。
村上海賊の城があった能島では
島内のあちこちで大量に「かわらけ」が発掘されたことから
(「かわらけ」はお酒を飲む時に使った杯で、昔は使い捨てされた為、
大量に捨てられた=たくさんお酒を飲んでいた。という事が分かる発掘です。)
タモリさんが
「宴会好きだったんですね。」(笑)
とお話しされていたのを聞いて
義母が亡くなった時の事を思い出しました。
義母が亡くなったと連絡を受けた日の朝
慌てて支度をして義実家に着いた時には
既に夜の遅い時間になってました。
到着して直ぐ
亡くなって布団に寝かされている義母の顔にかかった
白い布を取り
義母に最後の挨拶をしました。
義母は入院して体調の悪い時でも
疲れて居る時でも
いつも笑顔で私たちを迎えてくれる人で
穏やかで優しく
物静かに話をする上品な人でした。
いつも自分のことは後回しで
家族の事を優先にしていたので
私は
もう少し自分の楽しみを持っても良いのではないか
と思っていました。
でも家族の幸せな姿を見るのが
義母の一番の幸せだったのかもしれません。
そんな事を色々思いながら義母の顔を眺めていました。
その顔はほぼ無表情で
むしろ寂しげな死に顔で
最後を誰にも看取られる事無く逝った義母のことを思うと
何もしてあげられなかった事が申し訳なく
また死を受け入れられない自分がいて
呆然として涙がでませんでした。
子供たちも寝る時間をとっくに過ぎており
いつも私たちが義実家に泊まる時に使っていた部屋に
義母が寝かされていたので
義母が寝ていた和室の隣の部屋に布団を敷き
旦那と子供たちは先に寝てしまいました。
私は片付けや
翌日の通夜に着る子供服の裾上げの準備をしたり
気がつくと夜の11時をとっくに過ぎていました。
・・・そう
なんだかザワザワする。
自分の耳で聞いてる音では無いけれど
耳の奥でザワザワと音がしてうるさいな。
と思って時計を見たら11時過ぎ。
いや気のせいだろう。
でも今までも見えてないけど見えてるような
聞こえてないけど聞こえてるような
そんな感覚はあったので
もしかしたら、これは
あれかなぁ・・・。
そう思いながら
騒々しいと思う
義母が寝ている和室に行ってみました。
家の中はシーンとしていて静かですが
実際の耳から聞こえてる音とは別のザワザワを
なんか感じる・・・。
和室を覗いてみても
もちろん誰も居るわけではありません。
義母が寝てるだけ。
意識を空に合わせて
視界を実際の目で見るのでは無く
額の裏でみる感覚に合わせてみました。
すると和室では
ものすごく大勢の老若男女が
飲めや歌えの大騒ぎ。
大宴会の最中でした
その賑やかな宴会の中心に居るのが義母で
大騒ぎして歌って踊ってる。
一緒に知らんおじさんやおばさんも歌って踊ってる。
そして見知らぬおじさん、おばさん(おじいさん?おばあさん??)が
何人も
私を素通りしていく
私はビックリして目が点になって動けませんでした。
そして隣の部屋で寝ている旦那と子供たちを覗いてみると
いびきをかいてグッスリ寝ています。
自分の感覚と、家族の感覚の違いに
更にグッタリしました。
その騒々しい大宴会は夜中の12時過ぎまで続き
耳で聞こえる音は静かなのに
騒々しくて寝られない
という不思議な体験をしました。
何よりあの物静かだった義母が
もの凄くはっちゃけてる姿が
見えてない物なのに見えていて
なんか信じられない
翌日、義母を出棺する時
納棺師さんが来て
顔を覆っている白い布を取った時
義母の顔の表情が、笑顔に変わっていました。
義父が
「顔が笑ろうとる!
皆が揃ったから嬉しかったんじゃろ。良かった」
と言いましたが
私には
あの宴会が楽しかったんだろうなぁ~。と
表情が変わった事を、妙に納得していました。
嫁に来て
慣れない土地で
本当に苦労した話を聞きましたが
これでやっと終わったー
人生ゲームのノルマを達成したぞー
という
義母の気持ちが本当によく伝わってくる
大宴会でした。
私の祖父母が亡くなった時には
そんな体験をしたことはありません。
亡くなった人たちが大勢集まり
宴会で出迎える。
土地柄、そんな風習がご先祖様たちにあるのか
ただ単に宴会が大好きだったのかは、分かりませんが。
あんな風に
ご先祖様に迎えられるのも良いかもしれませんね。