チシマウガラス 千島鵜鴉

英名:Red-faced Cormorant

学名:Phalacrocorax urile

カツオドリ目ウ科ウ属

生息地:アリューシャン列島、千島列島、カムチャッカ半島(日本、ロシア東部、アラスカ東部)など

全長:76cm

鳴き声:グルルルル

雌雄:雌雄同色

絶滅危惧ⅠA類(環境省レッドリスト2020)

 

日本にはカワウ、ウミウ、ヒメウ、そしてこのチシマウガラスの4種類の鵜(ウ)が生息する。その中で、最も数が少ないのがこのチシマウガラスだ。

 

顔が赤いのは夏羽

 

日本では千島列島周辺だけで繁殖しているため、「チシマ」と名前の頭に付けられたのだろう。しかし、「ウガラス」はいかがなものか。

 

白っぽいクチバシを開いているのが、冬羽のチシマウガラス。周りはヒメウ

 

チシマウガラスはカツオドリ目ウ科の鳥であり、カラスの近縁種ではない。カワガラスなどと同様、黒々とした羽の色から「カラス」と名付けられたのだろうが、カワウ、ウミウ、ヒメウ、そもそも鵜はみな黒いのだ。

 

 

「チシマウ」では語呂が悪いので、無理やり「カラス」を付けてチシマウガラスになったのかもしれない。

 

飛んでいるのはオオセグロカモメ。チシマウガラスの数が減ったのは、オオセグロカモメやカラスに卵や雛が食べられてしまうためらしい

 

この鳥の英名は「Red-faced Cormorant」(赤い顔の鵜)である。日本名もホオアカウ、あるいはチシマホオアカウとしたほうが良かったのではないかと、勝手に想っている。