ライチョウ 雷鳥

英名:Rock Ptarmigan

学名:Lagopus muta japonica

キジ目キジ科ライチョウ属

生息地:北半球北部に広く分布。日本のライチョウは2,200~2,400mほどの高山帯にのみ生息する最南端の亜種。

全長:37cm

鳴き声:ゴッガー

雌雄:夏羽は雄が黒褐色で雌は黄褐色。秋羽は雌雄ともに黒褐色。冬羽は全身真っ白。

絶滅危惧ⅠB類(環境省第4次レツドリスト)。国の天然記念物

 

日本に生息するライチョウ(ニホンライチョウ)は、氷河期の終わりごろ、いまだ大陸と地続きであった日本に移り棲み、その後、気候が温暖になると共に高山帯に取り残された氷河期の生き残りだという。

 

足環をつけた雄。ライチョウの未来を守るために、環境省などによる保護活動が行われている

 

生息域は頸城山塊、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプス周辺であり、その生息数は2,000羽弱と少ない。

 

手前が雌、奥が雄

 

ところがライチョウは、出会うのが難しい鳥ではない。はるばる天空の地へと出かける手間と時間、そして少々の山歩きさえいとわなければ、かなり確率で目の当たりにすることができる。

 

 

ライチョウに出会うことが難しくない理由は、ライチョウが人を怖がらないからだ。

 

 

日本人にとって神域である高山に生息するライチョウは、古来より“神の鳥”として敬われていたため、狩猟の対象とされなかった。明治期には乱獲されたというが、彼らにとって人間は、恐れる必要のない存在と認識されているのだろう。

 

雌の夏羽

 

しかし、ライチョウが今後も容易に見られる希少種として生き延びられるかどうかはわからない。温暖化により生息域は減少し、キツネやカラスなどが高山へと侵入しつつあるからだ。

 

 

観察や撮影に出かけることが、ライチョウのためにいいことなのかどうか。いささか疑問ではあるが、ライチョウの美しさ、神々しさを世に広めることが保護につながると信じて、このブログを書いている。

 

【参考文献】

街・野山・水辺で見かける「野鳥図鑑」(日本文芸社)