ゴイサギ 五位鷺

英名:Black-crowned Night Heron

学名:Nycticorax nycticorax

ペリカン目サギ科ゴイサギ属

生息地: アフリカ大陸、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸、アジアに広く分布する。本州以南では留鳥、北海道では夏鳥。

全長:58cm

鳴き声:クワッ、クワッ

雌雄:雌雄同色

 

平家物語によればゴイサギの名は、醍醐天皇の宣旨に神妙に従ったことから五位の位を賜ったことに由来するという。英名は「Black-crowned Night Heron」、黒い王冠を被った夜のサギ。ゴイサギは高貴な鳥なのだ。

 

夕暮れ時、池のほとりで餌をとるゴイサギ

 

高貴な鳥だからだろうか、ゴイサギが日の高いうちに姿を現すことはあまりない。活発に動き出すのは、人目につかない夕暮れ時からだ。

 

ゴイサギの幼鳥。体に星模様(斑点)があることから、ホシゴイと呼ばれる

 

昼間は木の枝に囲まれた茂みの中で過ごし、暗くなってから小型の魚やカエルなどを捕る。

 

「crown」は鳥の場合「冠羽」を意味するようだが、ゴイサギの冠羽は白。「Black-crowned」は「黒い冠羽がある」と訳すのかもしれないが、矛盾するので、あえて「黒い王冠を被った」と解釈することとした

 

そんな夜行性のゴイサギが堂々と昼日中に姿を現すのは、4月から7月あたり。繁殖期のゴイサギは日中も狩りをするのだ。

 

ちょっぴり貴重なゴイサギの飛び姿。繁殖期には黄色い足が赤くなる

 

高貴なゴイサギも、子育てのためには人目をはばかってなどいられないのである。

 

【参考文献】

街・野山・水辺で見かける「野鳥図鑑」(日本文芸社)