ムジセッカ 無地雪加

英名:Dusky Warbler

学名:Phylloscopus fuscatus

スズメ目ムシクイ科ムシクイ属

生息地:シベリア、サハリン、モンゴル、中国などで繁殖し、中国南部、台湾、インド、インドシナ半島などで越冬する。日本へは稀な旅鳥または冬鳥としてやってくる。

全長:11cm

鳴き声:ジ、ジ、ジ(地鳴き)、チュリチュリチュリ(囀り)

雌雄:雌雄同色

 

この鳥をひと目見て「ムジセッカ」と識別できるのは、相当のベテランバーダー、あるいは野鳥識別の達人だけだろう。ウグイス? ヤブサメ? それとも何とかムシクイ? そう思うのが当たり前だと思う。

 

ムジセッカ

 

では、どうやって見分けるのか?

 

とにかくややこしいムシクイの仲間は、ほとんどが夏鳥。ヤブサメも夏鳥なので、冬に見られるムジセッカと間違える可能性は低い。時期的に重なるのはウグイスだろう。

 

ウグイス。少し茶色っぽく、尾が長い。胴体はスリム

 

しかし今回、改めてムジセッカとウグイスを比べてみたところ、明らかにウグイスは細長く見えることがわかった。ウグイスはムジセッカより尾が長いだけでなく、胴体も細長く、スリムに見える。色も少し茶色っぽい。

 

ヤブサメ。似ているが尾が極端に短い

 

ちなみに最も似ているヤブサメは、体つきは同じだが、極端に尾が短い。

 

ムジセッカは漢字で書くと無地雪加。模様のないセッカということなのだろう。よく見れば体つきは似ている気がしないでもないが、姿を見て即座に「セッカに似ている!」と思う人がいるとは思えない。

 

セッカ。ムジセッカに似ている?

 

ムジセッカ、なんとも不思議な名前の持ち主なのだ。

 

写真は2022-2023の冬、埼玉県にやってきたムジセッカ