8月最初の週末は、秋田への観劇旅でした。
 
土曜日。

平日より早起きして在来線から東北新幹線、そして仙台駅で秋田新幹線こまちに乗り換え、梅雨明けしたばかりの秋田に向かいます。


こまちで向かうのは、いつもの(!)角館駅ではなく秋田駅です。



目的はこの日から始まる竿燈まつり……ではなく、あきた芸術劇場ミルハスで初日を迎える劇団わらび座 祭シアター『HANA』。11時開演&16時開演の2公演を拝見するためです。




昨年夏の初演から1年を経て、今年もこの作品に出会えます。



台詞のないノンバーバルの作品です。

とはいえ、例えば冒頭では観客参加の太鼓や提灯やうちわの取り扱いについての説明を秋田弁と英語で行ったりもしていました。無言ではなく日本語に依存しないインバウンドを見込んだ作品ということと思います。




孤独な鬼とこけしの精霊が、東北を代表する6つのお祭りや人々の暮らしと出逢う物語を軸に、東北を代表する6つのお祭りが綴られていきます。


ミルハスでは、わらび劇場でもよくお目にかかるわらび座ファンの方々をたくさんお見かけしました。




会場を出ると、千秋公園のお堀一面に蓮が花を咲かせていました。


秋田市で『HANA』を観たあと仙北市のあきた芸術村に移動し、温泉ホテルゆぽぼに泊まります。


ゆぽぽのロビーには、さきほどの舞台で観てきた6つの祭りのモチーフが飾られていました。


時間が遅めのため途中で夕食を済ませてきましたが、せっかくなので(?)ホテル売店で田沢湖ビールとおつまみを買い、軽く部屋呑みしたりもしました。

日曜日。

劇場の見える部屋で目覚める朝です。




朝寝朝風呂と土地のものを生かした素敵な朝ごはんを済ませて、10:30開演の小劇場『青春(アオハル)するべ!〜由利高校民謡部ストーリー〜』へ。


いや〜もうマスクが濡れるほど泣きました。

若者たちの情熱や迷いや葛藤が繊細な演出と解像度を増した演技で瑞々しく伝わり、観る者の心を動かします。

ミュージカルとしての歌やダンスと民謡民舞が引き立てあって、物語の印象を強めていました。

終演後、発売になったばかりのグッズを役者さんたちが手売りされていたのでクリアファイルと舞台写真集を購入。(一緒に写っているポストカードはファンクラブ会員の来場特典)




劇場前にソフトクリーム屋さんが出ていたので、終演後ブルーベリーソフトを食べました。とても美味しかったし、多くの方が買いにいらしていて、思わぬ方と言葉を交わしたりもできました。



お食事処ばっきゃでは、あまりの暑さにラーメンは諦め(?)冷たい稲庭うどんを。


梅雨明けしたとはいえ関東より気温は低いと思っていたのですが、湿度が高くてけっこう蒸し暑く感じられました。



食事を済ませて角館駅へ向かいます。



名残り惜しい気持ちで帰りの新幹線に乗り込みました。



秋田新幹線こまちの車窓から、わらび劇場の一角が見えます。


これを見るためにこまちの座席はできる限りD列を選びます。


夏休み時期のためか、行きも帰りも新幹線は満席でした。


そして宇都宮駅で乗り換えようとしたら、ここも大勢の人でごった返していました。


なんだっけ?と思いましたが、貼り紙とアナウンスから、この週末は宮まつりだったことを思い出しました。宇都宮ではもっとも大きなお祭りで、毎年8月最初の土日に行われるのです。なるほどそういえば浴衣姿の方も見受けられます。


まだ17時だったので、皆さん宇都宮についてこれからお祭りに向かうところでしょう。自分は反対にここから在来線で地元に向かうのです。


お祭りの季節です。


竿燈祭りも宮祭りも参加せずに通り過ぎてしまいましたが、この旅のあちこちで祭りの活気と生命のきらめきを存分に感じることができました。


『HANA』はもちろん、現代の青春を題材にした『青春するべ!』も民謡や踊りが大切な要素となっています。わらび座の役者さんの歌声や踊りはとてもよく訓練されていて、それぞれに見応えがありました。


梅雨明け直後の夏の旅で、お祭りと蓮とソフトクリームとビールと温泉、そして何より好物の素敵な舞台を堪能しました。


お目にかかれた皆様、気にかけてくださった皆様、ありがとうございました。


またお目にかかれる日を楽しみにしています。