令和元年12月22日(日)12:00〜、シアターサンモールにて。

演出・出演/吹原幸太


音楽/西山宏幸

アニメーション制作/吉田ハレラマ

照明/萩原賢一郎(アルティプラノ)

音響/山下菜美子(mintAvenue inc.)

舞台監督・舞台美術/佐藤秀憲(ステージメイツ)

衣装/高橋ゆき

特殊衣装/サイトウマサミ、衣装大臣

小道具/横尾下下

宣伝美術ボディメイク/チョーヒカル

ヘアメイク/平林純子(P³Garage)

コスメ協力/プロメイク舞台屋

チラシ撮影/富田大樹(gekichap)

パンフレット・ブロマイド撮影/干川史緒里(スタジオコローレ)、P太郎

宣伝美術・グッズデザイン/MIKEPUCHIKO

グッズイラストデザイン/西田シャトナー

グッズイラスト/吉田翔吾

WEBデザイン/瀬川祐

プロデューサー/登紀子(アイビス・プラネット)

企画・製作/ポップンマッシュルームチキン野郎


出演/

加藤慎吾 野口オリジナル

吉田翔吾 小岩崎小恵 NPO法人

横尾下下 高橋ゆき 井上ほたてひも

増田赤カブト 前原一友

以上ポップンマッシュルームチキン野郎

GUEST

福地教光(バンタムクラスステージ)

平山佳延 辻響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)

今井孝祐


ストーリー/

自分と他人の脳を接続する機械、通称コネクト。それを使って他人から【記憶】や【アイデア】を聞き出すことを生業としている男がいた。彼のもとに、アルツハイマーになった老作家の頭の中から未発表作品の【アイデア】を見つけ出して欲しいという奇妙な依頼が舞い込む。依頼人は、そのアイデアを元に老作家の遺作短篇集を作り、一儲けしようとしているようだった。

この物語は、彼が老作家の頭の中から見つけ出した奇妙な物語を中心に描く短篇作品集である。だが同時に他人の脳に入り込み続けた男の、切なく残酷な人生の旅路を描く一代記でもある。

自分の本能に正直になって死にゆくか、全てを偽って生き続けるのか……決めるのはいつだってあなた自身なのだ。

(公式サイトより)



人の記憶や思考を覗き見る機械を使って仕事を請け負う幹雄と一平が、老小説家の脳内で未発表のアイディアを探す……という枠組で描かれる、多彩な短編たち。

そして幹雄自身の隠された過去。



それぞれの短編は、悠久の時間を旅した男が出会う宇宙の終わり、身体が小さくなっていく奇病にかかってしまった女性とその夫、見えない男を中心に据えて描かれる任侠モノ、天才的な整形外科医のみに降りかかった悲劇、そして吃音症のカニが時を超える物語など、不思議だったり壮大だったり切なかったり馬鹿馬鹿しかったりとさまざまなテイスト。しかもそれぞれにクオリティが高く、笑いの中に毒があったりもしてなおさら面白かった。


軸となる幹雄の物語では、主演の野口オリジナルさんがとにかくカッコよくて、一平役のNPO法人さんとのバディ感や、秘書も含めた事務所の雰囲気、そして過去と向き合うときの弱さと強さの間を揺れ動く場面なども印象的だった。


各短編と全体の物語それぞれの魅力があいまって、いろんな意味で面白かった。


幹雄を演じた野口オリジナルさん。ハードボイルドな劇中の幹雄とはまた違う雰囲気の笑顔がチャーミングだ。

初めてこの方の舞台を拝見したのは、Mrs.fictionsの『伯爵のおるすばん』初演(2013年)。永遠に生きる伯爵の3人目の恋人よっちゃんを演じて印象的だった。

それ以来、ご出演作品はできるだけ観ようと思ってきたけど、今回は何ていうか惚れ惚れするくらい魅力的な「主役」だった。

短編連作なので個々の短編にはそれぞれ別のキャストがご出演だし、そういう意味では狂言回しに近い役柄かと思ったらとんでもない、つなぐこと以上に彼自身の過去や葛藤が丁寧に描かれて、相棒である一平との関係も魅力的だった。

こらからのご活躍がますます楽しみになった。か