「地獄」の名所巡りは「魔界都市・京都」から始まる。
しかも戌の刻(現在の午後7時~午後9時)頃から「地獄」の真の姿が見えてくる。
古都平安京は埋葬地に囲まれていた、北の船岡一帯の蓮台野、西の化野(あだしの)、東の鳥辺野。この3つの埋葬地を定めたのは、あの世とこの世を往復していた小野篁だという。
それならば小野篁に案内を乞いながら、縁の地を廻ってみるのも一興である。
したがって時には聖雲に飛び乗って、北に南に飛び回ることもあるやもしれない。
ともかく、鳥辺野の六道珍皇寺、水の枯れた古井戸が小野篁の閻魔堂への通り道なのである。
水の枯れた古井戸の中に階段があった。階段を降りてゆくと横道がいくつかある。
その一つをたどるとゆるやかなスロープがあらわれる。その先が閻魔堂(閻魔王庁)だ。
古井戸のはるか上の方、天空を仰ぐと星が小さく瞬いていた。
臨終から「死出の山」を一週間かけて昇り降りする(恐らく数千メートルはあるだろう)。
そして初七日三途の川を渡る前に、死後最初に辿り着く最初の法廷で三途の川を渡る
3つの方法のいづれかに従わなければならないのだ。
(三途の川:川巾は約40由旬(1由旬は14.4km)=576Km ある、ちなみに東京から新大阪は522km)
一審の法廷では書類による審査とはいえ、罪の軽重を3つにわけ、善人はコンクリート造りの
「有橋渡(うきょうと)」を通行することを許されるが、何しろ川幅が576kmもある地獄でも
有数の大河である。ほとんどの者が「有渡橋」のたもとにある大駐車場に整然と並んでいる
世界中のありとあらゆる名車に相乗りしてとにかく橋を渡って二審の「初江王(しょこうおう)」の法廷に辿り着く必要があるのだ。
二七日(ふたなのか)死後の14日目初江王の法廷までの所要時間は3時間、徒歩なら7日はかかる。車の料金は第一・第二の法廷が持ってくれる。ラッキーである。
しかし、観光の場合はそうはいかない。
言い忘れたが、最初の六道珍皇寺は大本山建仁寺の近くにあるためか、臨済宗建仁寺派の
寺院である。このお寺の特徴は、御朱印が通常は墨であるが、特別拝観の際には金朱印が授与されることがある
。
・紺紙 六道参り、特別拝観、
・若草色 春季特別拝観
・紅葉色 秋季特別拝観
・通常頂ける御朱印は、御本尊である薬師如来のもの。
・墨書は奉拝と日付
本尊薬師如来と大椿山六道珍皇寺
本尊の部分が梵字のバージョンも存在
・医王殿の御朱印 特別公開