●痛風になるといいことだらけ

痛風になると酒がまずいから飲まない。一日1000円としても一年36万5000円の節約となる。ある中だったから一日2000円平均としても年70万円の生活費が楽になっている。

煙草も吸わない。

車も乗るのが嫌いだ。

貧乏だから女に相手にされず、デート代もかからない。世間に相手にされていないので交際費もかからない。

たまに誘いはある。自分から誘える人もいるが、行っても面白くないのがわかっているから行かなくなった。

いつも金をかけてまで楽しいか、という結論になる。

図書館には通いたい。CDがただで借りられるのが嬉しい。

遠出は面倒くさいし、疲れるからしないが、電車で近場には行きたい。電車に乗るには駅までいけなければならず、駅には自転車に乗らないと行けないから自転車駐輪場代が110円かかる。

電車賃と自転車駐輪代は一生もち続けたい。酒をやめるとかなりの欲望を満足できる。

テレビはもっていないが、NHK受信料を払っている。テレビを捨てたら受信料を払わなくていいのかと思ってNHKに電話したら、集合住宅のアンテナ線があるだけで、受信料は払わなければならず、決して解約させてもらえなかった。

最後までアダルトDVDをみるためにテレビとDVDプレーヤーは捨てられなかったが、50歳を過ぎて性欲が減ったのだろう。DVDも全部捨てた。たまにネットでエロ動画をみている。映画もたくさんみたからもういい。きりがない。超有名な映画はだいたいみたから十分だ。

痛風だから肉も魚も食べない。たまに魚肉ソーセージを食べる。肉も魚も尿酸値を上げるが、尿酸値を上げるプリン体が魚肉ソーセージには低いから食べる。

酒、魚、アルコールをやめれば尿酸値はそれほど上がらない。

そんな生活で楽しいのかと言ったら楽しくはないが、別に周りが羨ましくはない。綺麗な家に住んでかわいい奥さんや娘がいる人は羨ましいが、そんな人は少ない。優秀に生まれてこなかったのだから仕方がない。

犬は飼いたくない。犬は好きで、ユーチューブで犬の動画をみるとかわいくて面白いからいつまでもみてしまう。騒音と掃除と消臭と排泄の世話が私にはできない。

中国の動画をみると、犬は食べ物で、食肉業者が犬を棒で殴り殺したり、切り刻んでいるものがある。最初はびっくりしたが、見慣れてみると、彼らにとっては日々の仕事なのがわかる。世間話をしながら、食材としての犬をせまいゲージに何匹も押し込んで隙間なくつめていく。下の方で圧死する犬もいる。犬の頭を思いっきり棒で殴り、ナイフを首に刺して血抜きをして、皮をはいで、歯グキまで無駄なく調理して売る。日本の、家族の一員としての愛犬動画とのギャップがすさまじい。人間の思い込みはすごい。それぞれ普通にいろんなことを考えている。ユーチューブの映像はすごい。途中で公開禁止になる犬殺し映像も多い。テレビを捨てなければこんなにいろいろユーチューブで世界をみることはなかった。

死ぬ前の日、図書館で本を読んでいる人生でかまわない。お金に困りたくないので、早めに病院にかかる前に死にたい。

もちろん、仕事があれば最高だ。お金さえ続けば今の生活でもかまわないのだから、仕事があればもういうことはない。昔年収が600万円になったことがあったが、あんな収入に戻れたら貯まって仕方がない。

女性とも付き合えるし、結婚もできるかもしれない。

収入が多ければ結婚する機会は数回あったが、収入が低いから好きな人と別れなければならなかった。収入は思い通りにならない。

収入は思い通りにならないが、支出は努力できる。月に10万円以内で暮らしたいのだが、難しい。年金や、暖房器具にお金がかかってしまう。住まいの管理費、修繕積立費も節約しようがない。

肉も魚も食べないからガスコンロももっていない。ガスコンロがないと汚れないし、場所を取らない。

電気ケトルで沸かしたお湯で、おしたしやスープを作るぐらいしか料理はしない。包丁ももっていないから文房具用の100円のハサミでいろいろ切る。

米はおいしくて食べ過ぎてしまうから炊飯器ももっていない。トースターもぜいたくだ。

あまりおいしくなくていい。おいしさはきりがないから、安くてまずくなければいい。

大谷翔平が体のことを考えて調味料はつかわない、と言っているのを聞いて、私も調味料は買うのをやめ、最初から味のついているものを買えば十分しょっぱい十分しょっぱいものと一緒に食べれば豆腐もそのままでおいしい。豆腐は本当に安い。40円の木綿豆腐を毎日たくさん食べている。豆腐の情報を調べると欠点が見当たらない。

野菜は傷み始めて50円で売っているもので十分だ。たまに傷んだ部分を切り捨てていくうちに食べられる部分が少しになって50円でも高いが、何度も買っているからトータルではお買い得だ。

この程度の生活も老後、国民年金収入だけでは続けらない。このまま仕事がないようならば、早めに死にたい。

50代を過ぎると知り合いがたくさん死んでいく。みな無事死んでいる。私も無事死ねるのかもしれない。借金をするタイプではない。借金するぐらいならさらに節約する。

周囲の借金をする人をみると節約が足りていない。困る原因が自分の贅沢にあるようにみえる。自分より裕福に生きている人に金を貸すのは嫌だ。孤独と貧乏に耐えれば簡単に大幅に節約できるが、退屈と孤独に耐えられず狂ってしまう人は多い。私は幼い頃から動かない無能の人間だったから、余裕で退屈に耐えられるのかもしれない。高校を辞めて、初めて社会から離脱した時は不安で脱毛症になったが、あれ以来あのような不安はない。ずっと貧乏だが、なんとかなっている。

孤独になれてしまえば退屈と暇が幸せになる。何もすることがなく、二回目の風呂に入る幸せがある。天気のいい日に自転車に乗ってマックにコーヒーを飲みに行く幸せがある。

本を読むのが好きな人や音楽を聴くのが好きな人は孤独にも貧乏にも適応しやすい。一人ですいている静かな図書館で長時間集中して読書ができた日は興奮するほどに嬉しい。帰りにただでジャズのCDも借りて帰れる。

痛風がひどくなり酒が飲めなくなり、仕事を失い貧乏になり、読書がますます楽しくなった。確実に本を読むことを中心に生きている。

私の場合は痛風だったが、みんな歳を取ると何かのきっかけでお金がかからなくなっていくのかもしれない。

そうでないと、老後に暮らしていけない。本当に困っているようにみえる人があまりにも少な過ぎるのはお金がかからなくなるからなのだろうか。生きていくのに必要なお金をつかってまで楽しいと思えることがなくなっていく。電車賃や寝ながらお菓子を食べるぐらいしか払う金額に見合った楽しみがない。