雉 関東句会報告

 報告が大変遅くなりました。申し訳ありません。

令和二年二月の主宰をお迎えしての関東句会の報告をいたします。

二月三日(月)節分の日。俳句文学館にて句会が開催されました。

暖冬と言われた今年の冬も暦の上では今日が最後、ここ百人町も暖かな一日でした。

今年初めての上京、すばらしい挨拶を頂きました。

当番の藤戸氏の挨拶

会員の皆様

そして慣例の蕎麦屋での・・・楽しいひと時。

 

  田島和生主宰特選

 凍空の一点を指し平和像              森   恒之

 小さき花つけしなづなを打つにけり        越桐三枝子

 御祝儀を咥へて高き獅子頭            本木 紀彰

 古書括る主へ雪のちらちらと            井上千恵子

 初場所や額に砂の勝ち名乗             本木 紀彰

 

 田島和生主宰並選

 手のひらに紙の冷たき日なりけり         二宮 英子

 一度きり闇震はせて冬の雷             梅園 久夫

 しなやかに弾む琴爪春近し             藤戸 紘子

 浮寝鳥二羽の次第に近寄れり           二宮 英子

 耀へる坂東太郎春隣                 藤戸 紘子

 うるめ焼く匂ひ嗅ぎては杯をあけ          市村 英樹

 覚束なき生命線や霙降る              藤戸 紘子

 開け放つ仏間へ並べ寒造              山田 初枝

 即身仏の赤き着物や寒に入る           山田 初枝

 精悍に見ゆる男の黒マスク             藤戸 紘子

 護摩焚の高き炎や初不動              福田 澄代

 枇杷の花もこもこ咲きて川堤            荒井八千代

 解体の被爆の生家冬萌ゆる            森   恒之

 蝋梅や母亡き家に売家札              福田 澄代

 中庭に朝日まぶしき寒紅梅             上原カツミ

 倒木の陰に糸張る冬の蜘蛛            杉本  尚子

 村道の欠けし石仏春を待つ             萬代 桂子

 寒牡丹菰をはみ出て崩れざる           佐藤 泰子

 大熊手大黒柱隠しけり                本木 紀彰

 ハイデッカーを手に老紳士日向ぼこ        藤戸 紘子

 ぶつかり合ふ音の洩れくる寒稽古         梅園 久夫

 大寒や靴音硬き裁判所                市村 英樹

 初場所や簪ひかる砂被り               市村 英樹

 難解の脳活パズル読初                荒井八千代

 産室に高き産声冬薔薇                福田 澄代

 買初は水玉模様の試歩の杖             荒井八千代

 鋭き声の寒鴉の過る爆心地              森   恒之

 膝に寝る猫のぬくもり春を待つ            福田 澄代

 

   当番の藤戸紘子さん、古岡美恵子さん、ご苦労様です。明日の吟行会も楽しみです。

   遠く静岡からお見えの山田初枝さんいつもありがとうございます。

                        以上報告は 梅小路久麿 でした。