「雉」関東句会12月定例句

 12月2(月),3(火)日に渡り、田島主宰をお招きしまして定例句会を開催しました。

2日月曜日は朝から冷たい雨、しかも本降り。皆傘を斜めに差しながら俳句文学館へ集合。

令和元年の最後の月、師走です。明日は吟行句会の時、忘年会を開催予定です。

先ずは、定例句会報告。

選句に真剣な主宰。

何とにこやかな写真。実は新しくホームページの担当者の北陸福江氏の依頼での主宰のスナップです。

句会風景

こちらも定例、打ち上げ会!今日は、女性の参加が少ないです。明日の忘年会の為かな?

 

   定例句会・田島和生主宰選

 

 特選句

  牛の腹に群れてゐたるや冬の蠅       山田 初枝

  我が身より大き影ひき夕千鳥         藤戸 紘子

  鴨鍋や沖に日矢差す奥淡海          梅園 久夫

  薔薇の花に深くもぐりし冬の虻        山田 初枝 

  大根の皮に豪雨の傷の痕           上原カツミ

 

 並選

  奥之院の木戸にゆらめき雪ばんば     渡邉小夜子

  墳丘の窪みに積もる落葉かな        佐藤 泰子

  蘭奢待削られし痕山眠る           本木 紀彰

  黄葉や足を垂らして猿眠る          山田 初枝

  風すさぶ砂洲の窪みや千鳥鳴く       二宮 英子

  茶の花や墓守小屋に釣瓶井戸        福田 澄代

  巡回の看護師の灯の冬めける        荒井八千代

  縁に立ち竹馬の子の踏みだせり       坂口 昭一

  目つむりて花柊の香を愛づ          荒井八千代

  薄霜の札所径ゆく二人かな          渡邉小夜子

  朝霜や鳥の足跡点々と            藤戸 紘子

  松ぽつくりぽろぽろ落とし枝を打つ     井上千恵子

  雄鶏の鳴き声長し冬日和           福田 澄代

  迷い出て時雨に濡るる蚯蚓かな       森  恒之

  小春日や鉢の目高のよく動き         井上千恵子

  掃き寄せて温みの残る落葉かな       梅園 久夫

  遅れ来るバスを待つ間や一と時雨     上原カツミ

  煤払ひ足場をかけて修行僧         杉本 尚子

  綿虫やぐい飲み並べ古物商         福田 澄代

  車椅子熊手差し立て酉の市         本木 紀彰

  背の子と釣瓶落としの帰り道         渡邉小夜子

  小流れの湧水ぬくし石蕗の花        福田 澄代

  雨戸繰る冬の朝日を満身に         古岡壽美恵

  被災地のしの字に曲がる葱を買ふ     上原カツミ

  枯れかづら空き家丸ごと覆ひたる      佐藤 泰子

  朝なさな無患子拾ふ新発意         井上千恵子

  人影へ枝移りして笹子鳴く          古岡美恵子

 

 句会が終了する頃には雨も上がりました。明日の吟行は冬晴れの様です。

 今日は寂しいお知らせが御座います。

 林徹先生の頃から「雉」で頑張ってこられました古岡壽美恵様が、本日の句会を最後に引退されました。

 大変残念です。そしてたいへん寂しい次第です。この秋に94歳になられたとか・・・。

 まだまだお元気な様子でしたのに・・・。身近にある自然に触れながら俳句は続けて行く、とのお言葉に安心。

 どうぞいつまでも俳句をお忘れなく、お元気で!。

 

   報告は梅小路久麿でした。吟行句会の様子は次回。