プライベートバンカー
という本を以前読みました。
海外の
大金持ちの話ですが,
今後の人生の
資産運用の
参考になります。
どういうことかと言うと
プライベートバンクに
口座を開設、
預金した資金を担保に
借り入れを起こし
生命保険契約を
する仕組みなんです。
海外の富裕層の間では
一般的な
相続税対策の
仕組みであり、
これを通じて
相続税の納税分
を賄ったり、
時には
この仕組みによって
相続発生時に
資産を
増大させています。
例えば10億円の資産を
持っている
Aさんが亡くなった場合
仮に50%の
相続税がかかる場合。
そのまま何も対策せずに
Aさんが亡くなると
5億円を
納税しなければなりません。
10億円を
すべて現金で
持っていれば
相続人は
そこから
5億円を
支払うことに
なります。
元々家族のものであった
資産が
半分になってしまうのは
残念ですが
とりあえずは
それですべてが
終わります。
ところが
通常そうした富裕層は
10億円を
すべて現金で
持っていることはなく、
財産の大部分は
不動産のような
固定資産で
構成されている
ケースがほとんどです。
だから相続時に
それを売却して
納税する現金を
用意しなければならない。
これが家計や
家族の心身に
かなりの悪影響を
及ぼすストレスになります。
希望通りの価格で
不動産の
買い手が付けば
良いですが
数億円の買い物をする
相手を見つけるのは
容易なことではありません。
納税に
間に合わせるために
急いで取引
を成立させようとすると
価格を下げざるを
得ないこともあり、
結局手元に残る資産が
もっと減ってしまうことも
考えられます。
そういうケースを
防ぐために
利用されるのが
プレミアムファイナンス
です
例えばAさんが
プライベートバンクに
2億円を預金して
それを4%で運用してもらう。
この運用による
年間のリターンは
800万円だ。
一方で
プライベートバンクは
その2億円の預金を
担保にして、
4億円をAさんに
貸し付ける形で
Aさんを保険契約者にした
生命保険を購入する。
例えば
4億円の一時払いで
14億円の死亡保障が
ある生命保険。
その保険証券も
プライベートバンクが
担保として持つことになる。
仮に4億円の借り入れ利息が
2%なら年間の利息支払いは
800万円となり、
預金2億円の
運用益で相殺できる。
(仮に借り入れ利率が
それより若干高かったり、
運用利回りが
若干低かったりしても
それなりの金額を
圧縮することができる)
そのようにしておいて、
もしAさんが死亡した場合は
保険会社から
14億円の保険金が支払われる。
14億円のうち
4億円は借入金の
返済に充てられ
遺族は差し引き
10億円を受け取る。
その資金で
相続税を賄うのである。
これでAさん
生前の10億円の資産を
減らすことなく
家族が
手にすることができる。
現資産の
20%にあたる
2億円を預金するだけで
5億円の資産減耗を
防ぐことができる。
これが
プレミアムファイナンス
という
サービスの
利用者側のメリットである。
一方サービスを
提供するプライベートバンクには
回収確実な巨額融資と
それに伴う金利収入を
得られるというメリットがある。
生命保険を販売する保険会社も
大規模な保険契約による
保険料収入を
運用に回し
投資効率を
上げることができる。
「被保険者のAが
死亡したときに
巨額の保険金を
支払わなければ
ならないので
保険会社は困るのか?」
という疑問が
起こるかと思いますが、
その点も心配はありません。
保険会社は
多くの数の保険契約
による保険料の
一部を責任準備金
として積み立て、
それ以外は運用に回している。
それだけでも
富裕層の保険金を
支払うために
充分な利益を
あげることができるし、
もしもの場合は
保険会社同士で
保険を掛け合う
再保険の仕組みもある。
つまり
プレミアムファイナンス
はスキームに関わるすべての人が得をする
Win-Win-Winの仕組みなんです。
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