「ミッドナイトスワン」小説版で、凪沙たちが接客する議員が「昔のオカマはな、もっと楽しかったよ。最近じゃ権利ばっかり主張しやがって。どうしようもないよ。国が滅びるよ」と話すシーンがある。

奇しくも映画公開日9/25、現実に足立区議会でLGBTへの差別発言があった。しかも驚くことに“滅びる”という言葉を使っている。「L(レズビアン)だってG(ゲイ)だって法律で守られているという話になれば足立区は滅んでしまう」

映画先行上映での初鑑賞時には正直私は辛すぎる描き方のような気もしたけど、現実に誤った認識を持つ人がいると実感したことで、内田監督がしっかり取材をした上でトランスジェンダーの悲劇性を描いたことは意味があると思った。

 

<「ミッドナイトスワン」関連10月購入雑誌>

*TVfan cross Vol.36 2020年11月号 (10/5発売)

*日経 WOMAN 2020年 11月号 (10/7発売)

*JUNON(ジュノン)2020年 12月号(10/22発売)

 

’20.10月読書記録

初読(3)+再読(2):5冊

10/27【避難所/垣谷 美雨】

新潮社「波」での作者談によると“この小説を書こうと思ったきっかけは、東日本大震災のあと、段ボールの仕切りを最後まで使わせなかった避難所があったと知ったことです”とのこと、確かにその部分が印象深い。現実の実情はわからないけれど、リーダー交代シーンが爽快。

もちろんそこで良かったと終わるわけではなく、主人公の女性3人は様々な問題を抱えている。色々思い悩んだ上での彼女たちの決断にほっとした。

被災者の方々は震災で人生が変わったと思うけれど“前からあった問題が震災で鮮明になった”という言葉に納得の内容だと感じた。

 

10/22【キャプテンサンダーボルト 新装版 (新潮文庫)/阿部 和重他】

(再読)文春文庫(’17.11/10第1刷)が手元にあるけれど新装版(新潮文庫’20.10/1発行)には新規対談と書き下ろし短編収録とわかって購入。

とにかくワクワクドキドキの面白さ。宣伝ビラやピッチングマシーン等伏線回収が爽快。ポンセ最高!ベテラン医師等脇役も魅力。

コロナ禍での読み返しで“感染症”や“ウイルス拡散型の生物兵器”の恐ろしさをより感じる。

対談はもちろん興味深く、楽天イーグルスの試合結果を検索した。(笑)

書き下ろし短編での赤木さんの活躍が嬉しい。

 

10/19【発注いただきました!/朝井 リョウ】

企業からの発注というとエッセイかな?と思っていたら殆どが小説で、提示された条件に合う物語をたくさん生み出すことができるって凄いと感じた。

作品を集めるだけでの短編集だったとしても私は詐欺とは思わないけど(笑)“はじめに”と”おわりに“の文章、作品毎の【感想戦】が面白くてさすが!ホント楽しい。

自分から書き始める小説とタイアップやコラボきっかけ作品との毛色の違いについて、なるほどと思う。確かに本作は心地いい読後感が多いように感じる。

「清水課長の二重線」が特に好き。

 

10/12【マカロンはマカロン (創元推理文庫)/近藤 史恵】

シリーズ3作目。私はフランス料理に全く馴染みがないけど、ビストロ、<パ・マル>に行きたくなるし、今回も三舟シェフの謎解きお見事。

表題作の謎は、岸部さんが高築くんより背が高いことと、実家に帰る前に髪を切っていたことで私もピンときた。

3話目「共犯のピエ・ド・コション」が特に好き。隅川さんが冬樹くんと親しくなった方法素敵と思うし、45歳なのに入れ歯があると勘違いしても再婚を躊躇しない館野さんに好感持った。ラストの一行も印象的。

 

10/6【マスカレード・ナイト (集英社文庫)/東野 圭吾】

(再読)文庫化購入(20.9/25第1刷)で読み返し。

シリーズ3作目。2作目はスピンオフだったけど違和感なく再度のホテル潜入捜査。

宿泊客からの無理難題への尚美の対応が興味深く、事件に関連している部分になるほど。初読時には我がまま過ぎる客を優遇することは正直不快だったけど。

新田と尚美がお互いにヒント出し合ってるのがいい。腕時計遅れの伏線納得感強い。

真犯人は許しがたいけど、警察への恨みを持つことになった担当刑事からの言葉は酷いと思う。

やっぱり能勢さん好き。氏原さんのキャラ面白い。

 

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<義母介護メモ>

病院:10/7(Y)、10/7(K)

*4週1飲:ボノテオ錠

ケアマネさん来訪:10/14

堤さん:10/11