シェリングは、私がバイオリニストを目指していた高校時代に一番よく聴いたバイオリニストであり、一番理想としていたバイオリニストです。
そのバイオリンの美しさ、感動的な演奏は本当に素晴らしいと思います。
ただ音楽大学に入り、また曲がりなりとも世に出てプロとして仕事をしていく上で、色々と考えが変わりましたがやはり、真に迫る感動的とでも言いましょうか、一音一音が吟味された演奏はやはり、個人的に敬愛しております。
個人的には、もちろんシェリングの代名詞のように言われているバッハ、ピリオド奏法が盛んになっても絶対的な存在を示していると思います。
またクライスラーの作品集も素晴らしいと思います。
またパガニーニ、ラロ、ハチャトリアンのバイオリンコンチェルトもバイオリンの技巧の素晴しさが素直に聴ける作品だと思います。
そして個人的にはブラームスのバイオリンコンチェルトがもっとも心を揺さぶられました。
いくつもあるのですがユーチューブで発見した、晩年、イスラエルでの演奏です。
本当に誠実な中にも、酸いも甘いも、という演奏で繰返し聴く度に素晴しさが増してくるような演奏だと思います。
あの時代(1945~1970位)、味のあるバイオリニストがたくさんいたように思います。
現代のバイオリニストも素晴らしいと思いますが、メニューイン、ハイフェッツ、グリュミオー、もちろんシェリングなど、残された演奏を聴いていると独特なノスタルジーを感じます。
往年の巨匠の演奏を聴き、ノスタルジーの世界に浸る、というGWの過ごし方はいかがでしょう?