そして重要な事ですが大学時代に楽器を弾く仕事を開始しました。
大学一年の5月最後の土日に、人生で初めて働いてお金をいただく経験をしたのですがなんと映像に記録されているのです!
神童という映画の当てぶり(弾いている姿を撮ること。音は現場では出していても実際の放送には使われない)でした。間違いなく私の人生を振り返る時に大きな出来事の一つでしょう。
とはいえ、卒業後どうするか、ですね。やはりごく稀な例を除いて、一般就職のように大学四年生の最後の3月には全く収入がなくても、就職して4月には初任給が入る、という世界ではありません。
大学の特に3年、4年からある程度プロとしての活動を開始するか、種をまくことはすべきだとは思います。
具体的にどのように「種をまく」か、ですが、音楽の仕事は基本的に同業者の紹介によることがほとんどです。「仕事を回してもらう」と、言い換えることもできるでしょう。
まずは、業界で仕事をこなしている先輩から「仕事を回してもらう」ことが仕事をはじめる入り口だと思います。もちろん、仕事を持っている先輩に、積極的に仕事をしたいアピールをし、かつ、仕事を回してもらえたら全力で取り組むことは必要です。
そして、この「仕事を回してもらえる」先輩をつくることが、音楽大学に進学する大きなメリット、ともいえます。
また、先程触れた「全力で取り組む」ですが具体的にどのようにするか、と述べますとクラシックの場合ですが
①いただいた仕事の楽曲については、きちんと音源を聴き、分からないところがあればスコアをみて勉強し、リハーサルが始まる段階で一曲通しても問題ない状態に仕上げておく。
②リハーサル開始時刻の1時間前にはリハーサル会場に着いている
③挨拶をきちんとする(リハーサル開始が朝でも夕方でも、おはようございます!!!)
この3点をクリアしておけば、次に繋がる可能性は高いでしょう。
また、オーケストラのオーディションを受験することも、チャンスとなる可能性があります。
現状プロのオーケストラのオーディションは、例えばバイオリン奏者一つの席に50人〜100人の応募があり、非常に狭き門です。
ただ、オーディションで合格できず団員にはなれなかったとしても、ある程度票が入ると(オーディションは団員さんの投票で決まります)コンサート一回毎ではありますが、エキストラ奏者としてのお仕事の依頼がされることが多々あるのです。
そして、エキストラとしてプロオーケストラで継続してお仕事を頼まれるプレイヤーになることができれば(業界用語で常トラ)、幅広く同業者の信用を得ることができ、オーケストラ以外にも色々なお仕事が舞い込み、そうこうしているうちに楽器を弾くお仕事で生活できるようになる、というキャリアが描けます。
また教える仕事も音楽家にとってはとても大切な仕事です。
私にとっての指導者としての最初のキャリアは、日医大&女子栄養大の学生オーケストラ、ハルモニアオーケストラのトレーナーからスタートしました。
先にトレーナーをしていた同級生が紹介してくれたのです。
大学卒業後一年目の事です。
何から何まで初めてで、また私の生徒がはじめてできたことが嬉しくて楽しい思い出です。
まだ指導者としては半人前でしたが…
その後、神楽坂にある教室を先輩に紹介していただき、五年程勤めました。
ここでかなり教えるノウハウを得たと思います。
私は指導の仕事をはじめて10年経ちますがようやくコツといいますか、そのようなものがわかってきました。
上手くなるツボというのが一人一人違うのでそこを探し当て、伸ばしていく、私はそのような指導方針なのですがある程度それができるようになったのはここ最近です。
やはり一人前の指導者になるには長い時間がかかりますね。
そして相模大野に教室を開き、現在に至ります。
もちろん時代はかなり厳しくなっています。昔(大体1995年位まで、あくまで私の感触です)は学生でも演奏する仕事がたくさんもらえてあまりに忙しく授業に出られず大学の卒業単位数が危ぶまれたそうですが(何とか単位をやりくりした武勇伝の一つや二つは先輩方はもっていらっしゃいます!!!)今は学生時代に演奏のお仕事をいただく事はかなり難しくなりましたし、卒業後も、レベルの高い音楽大学を優秀な成績で卒業しても、なかなか厳しいのが現実です。
特にコロナの影響をもろに受けた業界の一つであり、これから音楽をめざす人もかなり減ってしまうと思います。(競争率が減りチャンスともいえますが)
ただ、芸というものは諦めず、丹念に磨いていけば、必ずある程度は光るもので、なによりも個人に身に付くものです。
その個人に身に付いた芸をどのように仕事にするか、かなり色々な可能性があると思います。もちろん演奏の仕事を得るにはどうしても縦の繋がりが必要です。ですがYouTubeなどを利用して自分一人で仕事を作り出していっている知人もあらわれています。組織を介してではなく、芸を通じてお客様と直接繋がることができるというのは音楽家を職業として考えた時の強みだと思います。
ひとまずこのあたりで終わりにします。音楽の世界を志しているかたでキャリアの事、などどうしても詳しく知りたい方がいれば直接メッセージいただければ私にできる範囲内で全力でアドバイスします。
以下メールアドレス
kiimaiiko@gmail.com