『眠られぬ夜のために①』六月六日: | 真田清秋のブログ

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 『現代のすっかり倒錯した宗教教育は、神を愛することは全然教えず、せいぜい神を恐れることしか教えない。その裏には、実は神への恐れから解放され得たなら、その方がありがたいという考え方が潜んでいるのである。なぜなら「恐怖は苦痛」だからである。一人の神を持つ幸福を、遺憾ながらわれわれは、たいてい人生の晩年に初めて知るのである。すでに旧約聖書において幾分悲壮な調子をもって述べられている嘆きーーすなわち、この一人の神は、以前にこの神以外のあらゆる神々(ときには甚だ不純な神々)が持っている諸性質を、ひとまず受け入れざるをえなかった、という嘆きは、今日もなおまったく生ける真実である。エレミヤ書三〇、ホセア書二。

 

 さらに、福音書は、ことにキリストが言ったと伝えられる言葉は、ことごとく霊であり、生命である。だから、そのようなものとして説教され、理解されなくてはならない。霊のこもらない説教や、ただ形式的に教会へ所属することは、他のどんな仕方にもまして、人々を真理に対して無感覚にするものである。こういうことが、民衆をキリスト教から背かせてしまったのだ。ヨハネによる福音書六の六三・六八。』

 

 

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