スマイルズ、『自助論』第一章 自助の精神 | 真田清秋のブログ

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 ① 成長への意欲と自助の精神

 「天は自ら助くる者を助く」

 『この格言は、幾多の試練とを経て現代にまで語り継がれてきた。その短い章句には、人間の数限りない経験から導きされた一つの真理がはっきりと示されている。自助の精神は、人間は真の成長を遂げるための礎である。自助の精神が多くの人々の生活に根づくなら、それは活力にあふれた国家を築く原動力ともなるだろう。

 外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし元気づける。人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう。保護や抑制も度が過ぎると、役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである。

 いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間を救えるわけではない。いちばんよいのは何もしないで放っておくことかもしれない。そうすれば、人は自らの力で自己を発展させ、自分の置かれた状況を改善していくだろう。

 だが、いつの時代にも人は、幸福や繁栄が得られるのは自分の行動にではなく制度の力によるものだと信じたがる。だから「法律をつくれば人間は進歩していく」などという過大評価が当たり前のようにまかり通ってきた。

 確かに、法律がうまく施行されれば、人は個人的な犠牲をさほど払わずにそれぞれの労働(精神労働や肉体労働)の果実を楽しむことができる。だが、どんなに厳格な法律を定めたところで、怠け者が働き者に変わったり、浪費家が倹約に励み始めたり、酔っ払いが酒を断ったりするはずはない。自らの怠惰を反省し、節約の意味を知り、酒に溺れた生活を否定して初めて人間は変わっていく。我々一人一人がよりすぐれた生活態度を身につけない限り、どんなに正しい法律を制定したところで人間の変革などできはしないだろう。

 

                 清秋記:

 ① 成長への意欲と自助の精神

 「天は自ら助くる者を助く」

 『この格言は、幾多の試練とを経て現代にまで語り継がれてきた。その短い章句には、人間の数限りない経験から導きされた一つの真理がはっきりと示されている。自助の精神は、人間は真の成長を遂げるための礎である。自助の精神が多くの人々の生活に根づくなら、それは活力にあふれた国家を築く原動力ともなるだろう。

 外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし元気づける。人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう。保護や抑制も度が過ぎると、役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである。

 いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間を救えるわけではない。いちばんよいのは何もしないで放っておくことかもしれない。そうすれば、人は自らの力で自己を発展させ、自分の置かれた状況を改善していくだろう。

 だが、いつの時代にも人は、幸福や繁栄が得られるのは自分の行動にではなく制度の力によるものだと信じたがる。だから「法律をつくれば人間は進歩していく」などという過大評価が当たり前のようにまかり通ってきた。

 確かに、法律がうまく施行されれば、人は個人的な犠牲をさほど払わずにそれぞれの労働(精神労働や肉体労働)の果実を楽しむことができる。だが、どんなに厳格な法律を定めたところで、怠け者が働き者に変わったり、浪費家が倹約に励み始めたり、酔っ払いが酒を断ったりするはずはない。自らの怠惰を反省し、節約の意味を知り、酒に溺れた生活を否定して初めて人間は変わっていく。我々一人一人がよりすぐれた生活態度を身につけない限り、どんなに正しい法律を制定したところで人間の変革などできはしないだろう。

 

                 清秋記: