先週末の2日間、
インプロアカデミーの内海くんによる
ディレクションワークショップに参加しました。



 

 

ディレクションというのは、
インプロ(即興劇)で演じられるシーンに対して、
指示をとばすこと。

 

監督みたいなものですね。



インプロは即興なので
相手との関係や場所など
その場で決めないといけません。



でも、演じていると
相手との関わりに
いっぱいいっぱいになってしまって
「誰」「どこ」などを
あいまいにしたままシーンを進めがち。

 

 

そこでディレクターの出番です。

 

 

「ハイ、ここは◯◯(場所)です」
とか、

「どうしてここに来たか理由を言って」

などのディレクションが入ることで

シーンがぐっと魅力的になります。

 

 

と言っても、

ディレクションも即興なので、
いいディレクションをするのは
ホントむずかしいのよ〜

 

 

ディレクションを入れるタイミングとか、

ディレクションの内容とか。

 

 

 

「えっ、えっ、なんて言おう」

ってちゅうちょしていると、

シーンがどんどん進んでしまう。

 

 

 

しかし、

シーンが進んでいるからといって、

必ずしも

物語が進んでいるわけではありません。

 

 

ただ、あいまいな会話が

くりかえされているだけ、ってことも。

 


 

ディレクターとプレイヤーの協力がうまくいくと、

ほんとにおもしろいシーンが生まれます。

 

 

 

「いいディレクションとは何か?」

ということを、

さまざまなゲームやワークを通じて学びました。

 

 

 

今回初めてトライした

「Hilarious Geisha」っていうゲームが

めっちゃおもしろかった!!

 

 

やり方はこんな感じ。

 

 

まず、プレイヤーをひとり選び、

その人は部屋の外に出ます。

 

 

他の人達は、

そのプレイヤーに演じてもらう「ある職業」を決め、

さらに、
その職業にふさわしくない形容詞をつけます。

 

 

たとえば、プレイヤーに

「内気なお相撲さん」を
演じてもらうことにします。

 

 

それが決まったら、

みんなは輪になって立ち、

プレイヤーを部屋の中によびいれ、

その輪の中をゆっくり歩いてもらいます。

 

 

 

歩くプレイヤーに対して、

ほかのメンバーは、

「内気なお相撲さん」という言葉は使わずに

それを表現する動きや持ち物を指示していきます。

 

 

たとえば、

「重そうな体で歩いてください」

「ときどき腹をたたいてください」

「人と目があったらそらしてください」

という感じ。

 

 

指示がピタッときまると、

いかにも「内気なお相撲さん」って雰囲気になって

見ているメンバーからも

「おぉー」って感嘆の声が。

 

 

で、プレイヤーはわかった時点で

自分が演じている人物像を当てます。

 

 

 

おもしろいのが、

まわりから見てると、

「まさにそれ!」

って人物像を演じているのに、

演じている本人は

「えー、わたしは何を演じてるの?」

ってわかってないときもあったこと。

 

 

 

自分が自分を見て感じることと、

人が自分を見て感じることって

ずいぶん違うんだなぁ、

って興味深かったです。

 

 

 

ほかにも興味深かったのが、

 

指示を出しても、

自分で意図したように

相手に伝わらなかったときや、

別の人が出した指示が

自分ではまず出さないものであったとき。

 

 

言葉ひとつとっても、
受け止め方って

人によってずいぶんちがうのですね。

 

 

 

これって、

実生活にも通じますね。

 

 

 

 

 

そして、

今回のワークショップのキモとも言える、

シーンの「種」を見つけるワークが

めちゃめちゃ学びになりました。

 

 

 

インプロのシーンって

数分間で終わってしまうものが多いので、

勢いで進めてしまうこともあるのですが、

 

・この人たちは誰?

・どこにいる?

・何をしようとしている?

 

ということを、

プレイヤーとディレクターが協力して

クリアにしていく必要があります。

 

 

 

そして、

さらに大切なことは、

 

・観客は「なぜ」このシーンを見るのか?

 

・このシーンは「いつ」終わるのか?

 

という「なぜ」「いつ」を

シーンの中から見つけていくこと。

 

 

 

それはまるで、

国語の読解の問題のようでした。

 

 

 

みんなが即興で演じたシーンを

ひとつひとつ分析しながら、

内海くんに

「このシーンの種は何?」

とたずねられ、

「えーっと・・・」

と、答えにつまるみんな。

 

 

まさに、授業ですな。

 

 

 

 

でも、分析と実演を

くりかえしていくうちに、
だんだんと、

物語の「種」が見つけられるようになってきました。
 

 

「構造」を学ぶ効果ってスゴイ☆

 

 

 

 

 

 

そして今回、

内海くんに指摘されてハッとしたのが、

わたしは、

ディレクションをするとき、

「指示がこまかすぎる」傾向があること。

 

 

たとえば、

「あなたは、〜するためにここに来ました」

とか、詳細に指示してしまうので、

プレイヤーはその指示に従うだけになっちゃう。

 

 

そうではなく、

「あなたがここに来た目的を言ってください」

みたいに、プレイヤーに言わせるようにすれば、

プレイヤーが自分でアイデアを出してくれるのです。

 

 

 

 

う・・・

 

子育てで

干渉しすぎだった時代を思い出して

イタイ。。。_| ̄|○

 

 

 

そしてもうひとつ

イタイ思い出が。

 

 

昔、

ある活動にチームで関わっていた時、

他のメンバーの力を信じられなくて、

わたしは、

指示をグイグイ出したかと思うと、

「できてない!」

と勝手にキレていたのです。

 

 

そのクセが

インプロでもしっかり出てて、

イタイ。。。

 

 

 

でも逆に、

このディレクションワークショップって、

人と自分とのちがいを知るのとか、

子育てや人材育成を学ぶのにも使えそうだと思いました。

 

 

 

 

いつか、

自分の過去の失敗も活かして

実生活に役立つインプロワークショップを

してみたいなぁ。

 

 

 

ワークショップの最後には、

ひとりひとりがディレクターになって

ショーをしました。

 

 

 

ディレクションをしっかり学んだおかげか

どのシーンも

すごくおもしろかった!

 

 

わたしがディレクションしたのは、

ひとつめは「冒険」、

次は

「ときめき」をテーマにしたシーン。

 

 

特にこの「ときめき」のシーンが

大好評でした。

 

 

廃校になる小学校の

さよならイベントにやってきた男性が、

屋上で、

小学校の時代のことを思い出していたら、

当時好きだった女性が

その屋上にやってきて、

しばしふたりで、

思い出話にふけります。

 

 

そして、その女性が

「そろそろ帰らなきゃ」

と去るのですが、

校庭を歩くその女性に向かって、

「好きだー!!」

と、叫びます。

 

 

女性は、ニッコリ笑って

「バカー!」

と叫んで立ち去るのでした。

 

 

 

まぁ、

非常にベタなシーンですが、

「ここで叫ぶんだー!!」

という、

わたしのディレクションに
非常に熱がこもっていたようで、

 

「ディレクションをしているかよさんが

いちばんおもしろかった」

と、

みなさん大爆笑でした。

 

 

 

やっぱり、

自分の見たいシーンをディレクションするのは

熱が入りますな(#^^#)

 

 

 

他のシーンも

どれもディレクターの個性が出ていて、

内海くんも

 

「お金出して見てもいいレベルだった。

2日間で

ここまでレベルアップできるとは

思ってなかった」

 

と絶賛してくれました。

 

 

↓アマビエを演じているところ

 

 

やっぱりインプロっていいなぁ。

 

 

ワークショップの途中は、

「ディレクション、

むずかしい〜」

と、めげそうになったときもありましたが、

やっぱり、参加してよかった!

 

 

 

インプロって

簡単にできないからこそ

続けていきたいんだと思う。

 

 

 

しかし、

インプロとどう関わっていいのか、

わたしはしょっちゅう

迷子になります。

 

 

正直いうと、今もそうです。

 

 

 

わかりやすい答えがほしくなるけど、

わたしの「種」は、

それこそ、

インプロを続けていく中で

見えてくるのでしょう。

 

 

 

いつか、

人生という物語の

エンディングがきたときに

「あー、このために

インプロしてたんだなぁ」

って、わかったらいいな。