少し前の話になりますが、先日の岐阜&名古屋遠征の思い出をもうひとつ書きます。

 


それは、両親とのこと。

 

今、わたしの母は、腰の手術後のリハビリで入院中。

 

初日の筆文字講座の前に母を見舞いました。

 


病室に入ると、母は、わたしの顔を見るなり、

 

「まぁ、かよちゃん!」

 

と、うれしそうな笑顔。

 


手術したら腰はずいぶん楽になったとのことで一安心。

 

 

母は、看護師さんに、

 

「あなたの性格では、大部屋だとノイローゼになっちゃうわよ」

 

と言われて個室に入れてもらえたそうです。

 

 

看護師さん、母の気ままな性格をよくわかってらっしゃる(^^;)と、思いました。

 


「どうして腰があんなに悪くなっちゃったのかしら」

 

という母の問いに、つい

 

「腰痛の原因は、『怒り』だって聞いたことがあるよ」

 

と、よけいなことを言ってしまったわたし。

 

 

「じゃあ、腰が悪い人は、みんな怒ってるっていうのッ!?」

 

「(・・・ほら、怒ってるじゃん・・・)」

 

と思いつつ、さりげなく

 

「昼間は、なにしてすごしてるの?」

 

と、話題を変えました。

 

 

母は絵が好きなので、看護師さんたちの似顔絵のスケッチや、画集を模写した絵を見せてくれました。

 

 

 

 

「うまいねー!」

 

と、ほめると、ニコッと笑顔になってくれて、ホッ。

 

 

いろんな話をしたあと、

 

「じゃあ、そろそろ筆文字講座あるから、行くね」

 

と言うと、病院の入口までわたしを見送ってくれました。

 

 

おかあさん、なんだか小さくなっちゃったなぁ・・・と、駅まで歩きながら、涙が出そうになりました。

 


そして、その後、筆文字講座を終えた後は、岐阜の実家に帰りました。

 

 

今回の帰省は、母も、子どもたちもいないので、父とふたり。

 

 

なのに、

 

「佳代や、肉かってきたぞ。豚肉と牛肉とあるけど、どっちがいい?」

 

と、軽く5人前はありそうな量の肉を見せる父。

 

 


「豚肉の骨は、今、煮込んでスープとっとるんや」

 

って、男の料理も楽しんでいるようでした。

 

さすが!

 


家にあった野菜を使って、お肉といっしょにホイコウロウ風に炒めたら、父は、食べながら、

 

「うん、味があって、うまいわ」

 

と、ほめて(?)くれました。

 

 

父と二人、「しーん」となっちゃうかしら、と思いきや、まぁ、お父さん、しゃべるしゃべる。

 

 

「佳代や、青汁って、どうしてカラダにいいか、わかるか?」

 

「えぇーと、繊維がカラダをおそうじしてくれるんじゃない?」

 

「お父さんはなー、青汁の中のマグネシウムが、カラダを活性化してくれるからじゃないかと思うんや!」

 

「ほほぅ、そうなんだー」

 

「マグネシウムっちゅうのはなぁ・・・」

 

と、この調子で、延々と講義は続きました。


(父は理系出身で、こういう話が大好きなのです)

 

 

ひととおり講義が終わった後は、こんな会話になりました。


「今日は、佳代は、『ふでもり』をやってきたって、それはなんじゃ?」

 

「お父さん、『ふでもり』じゃなくて、『筆文字』!!」

 

「あぁ、そうか。そいで、明日もその『筆文字』やるんか?」

 

「ううん。明日は、即興劇の講座をやるの」

 

「即興劇!?いっぱい来るんか?」

 

「ううん。明日は、ふたり。あんまり集まらんかった」(←岐阜弁)

 

「そうか。でも、人に喜んでもらえることをするのは、ええこっちゃ。

 

今、できることは、今、やらなあかん。

 

年をとってカラダが動かなくなったら、やりたいこともやれなくなるでな。

 

お父さんも、新しいことに挑戦し続けようと思っとるんや。

 

自分の財産になるのは、知識と経験や。

 

お金なんて、いくらあっても、天国には持っていけんでな」

 

 

「お父さん、いいこと言うねぇ・・・」

 

と、感動してしまいました(T_T)

 


わたしは、若いころは、ハンパなく父に反抗していました。

 


あれこれいろんなことに挑戦する父に、

 

「いいかげん落ち着いてよ!」

 

と、思っていたし、父がいろんなことを教えてくれようとしても、

 

「あー、もう、興味ないし!」

 

と、聞こうともしなかった。

 

 

そのころ、両親はかなり仲が悪く、長女のわたしは

 

「お母さんの味方をしてあげなくちゃ!」

 

と、あえて父を嫌おうとしていたのでしょう。

 

 

でも、今回の帰省で、父とふたりで話しながら、

 

「あぁ、やっぱり、わたし、お父さんの子だなぁ」

 

と、つくづく思いました。

 

 

あんなに嫌っていたのに、わたしのチャレンジャーなところ、お父さんとそっくり^^;

 

 

実家に一泊して、次の朝は、父が最寄り駅まで車で送ってくれました。

 

 

「ほんなら、元気でいってこいよ」

 

と、手をふる父の姿を見て、

 

「お父さん、年取ったなぁ・・・」

 

と、またもや胸がいっぱいに。

 

 

両親からの大きな愛に感謝しながら、名古屋行きの電車に乗ったのでした。

 

 

ふたりとも、いつまでも元気でいてね!