昨日は長男の中学校の文化祭でした。


内容は、展示や合唱コンクール、吹奏楽部のコンサートなど。そして、ミニ講座といって、茶道、合気道、読み聞かせなどいろんな分野の先生がいらして、生徒は好きな講座を選んで聞く、という時間もあります。


親も見学できるので、のぞきに行ってみました。


校門を入ると、知り合いのお母さんに出会い、

「真船一雄先生が来るらしいよ」

と教えてくれました。

真船一雄先生はプロのマンガ家で、この中学校の卒業生なのです。



プロのマンガ家の先生、会ってみたいなぁ、どこの教室でやっているんだろう?と、生徒たちの展示を見学しつつ廊下を歩いていると、ある教室のドアに「漫画」の貼り紙が!


そしてちょうどドアが空いて、外をのぞいたPTAの役員の方が

「どうぞ。ちょうど始まるところです。」

と私を中に招き入れてくださいました。


オォー、なんか引き寄せられたような一連の流れだわラブラブ!


中に入ると真船先生が中学生たちに囲まれて座っておりました。

$ほかぞのかよの「いつも心はほっかほか♪」-真船先生


初めて見る真船先生はとてもおだやかそうな方。でも、目の前で書いてくださったドクターK(先生の代表作)のマンガはとてもアツい画風でした。


真船先生は、

「『絵が好きだからマンガ家になりたい』という人は多いけれど、マンガ家というのはお話が作れないとやれない仕事なんだよ。だから、本や映画からのインプットが欠かせないんだ」

と話してくださいました。


そのほかにも、アシスタント時代はとても大変だったけれど(週の半分は徹夜だったし、歯茎がむくんで歯が抜けた仲間もいた)、期限をくぎってやればアシスタントというのはとてもよい就業になること、よい編集者に恵まれるというのはいい原作者に恵まれるのと同じくらいラッキーなこと、などのお話もしてくださいました。


印象的だったのは、

「ぼくのマンガは、編集者さんや、お話を作る人、資料を集める人など、たくさんの人達に支えられている。

だから、もしあなたがマンガ家をめざしていて、その夢がかなわなかったとしても、別の形でマンガに関わる仕事もたくさんあるんだよ」

というお話です。


これはマンガ家に限らず、いろんな職業についても言えることですね。


夢のかなえ方はひとつじゃないし、そのとき「もうダメだ・・・」と思っても、後で思いがけない形でその夢がかなうのかもしれない。


そんなふうに思いました。


こんなすてきな先輩のお話を中学生時代に聞けて、この子たちが幸せだなぁと少しうらやましくなりました。


でも、私もその幸せのおすそわけをいただいて、ありがとうございました。


真船先生のミニ講座に長男の姿はなかったので、帰宅後、

「キミは何の講座を聞いたの?」

とたずねたら、

「拓本!」

ですって。


し、しぶいな・・・得意げ


でもきっとそこに、彼にとっての必要な学びがあったんだろうねぇ(しみじみ)。