フランスのLRTは1985年ナントから♪ | Happy Railway のブログ

Happy Railway のブログ

作りかけのHO鉄道模型レイアウト ♪Happy Railway♪ を鈍行列車でのんびりと。
91cm×182cmの小さなレイアウトです。
たまに?よく?脱線あり(あっ、列車じゃないですよ!)
鉄道名は My favorite Singer Songwriter 宇徳敬子さんの「Happy Way」からいただきました。

フランスに3都市しか残っていなかった路面電車は

LRTとして1985年ナントで復活のノロシを上げました。

 

ブルターニュ大公城の城壁から 1992-12-22(以下同日撮影)

 (世界史で出てくるナントの勅令はこの城で発布。

  ところでナントの勅令って何だっけ?とwikiで調べるうなかばショボーン

 

フランスではLRTという言葉を余り使わず新旧問わず路面電車のことを

Tramwayと言っているようです。

ナントの車両は開業時、中間車が無く2両連接で、

その後低床式の中間車を追加し全長39mとなり路面電車ユニットとしては世界最長。

(現在はわかりませんが)

これが2ユニット連結されている写真を何かで見たこともあります。

 

街中での様子はこんな感じでパー

 

何分、12月のフランスはプロバンスなどの南部を除いて昼でも薄暗いことが多く、結構雨も降ります。ただ最初は暗いなあと思っていてもいつの間にか暗さに慣れてしまいました。

 

分かり易い写真が無かったのですが、右上に車道が見えます。

ナントでは軌道は道路の中央ではなく片側に寄せられてます。

全区間というわけではないですが最初の城からの写真も同様。

 

そして両側または片側を歩道とすることにより車道と隔離し、

停留所では歩道を250mmにかさ上げしてホームとしています。

上の写真だとホームは分かりにくいですが下の写真だとわかるでしょう。

 

これで樹木が緑なら栄えるでしょうねえー

 

街外れにあるトランジットセンター。

道路とホーム、歩道との境はブロックを何個か並べただけの簡素なもので、

他の区間でも安全柵は見かけませんでした。

 

そして終点近くになると住宅街を通ります。

ここは道路中央を走ってますね。

 

さて、ちょっと乗降口の様子をパー

これは両端車、つまり高床部分の乗降口です。

高床部の高さが850mm、ホームが250mmなので3段ステップとしてあり、

一番下のステップはドアが開くとせり出します。

 

そして中間車は

低床部分の高さが350mm。

車体からはホーム間に渡り板(可動ステップ、スライディングプレート)が出ます。

 

ドアが閉まった時点でホーム上面に乗っかったプレート先端が持ち上がり、

 

その後、車体内に完全に引っ込みます。(写真は引っ込み途中)

 

ナントではこれを各停留所で行い、プレートが出てきて下降してホーム上に接する時

カタンと結構大きな音がしました。

(グルノーブルでは必要な時だけ出てきて、パリでは採用されませんでした。)

 

話が変わって停留所は

凝ったデザインのシェルターに長椅子とその横に券売機があります。

 

券売機はこんな形をしていました。

 

画像を少し拡大すると切符の買い方が分かります。

1のCHOSIRはキッブを選びなさいとあり、

 TARIFS(料金)と書いてある下に

 切符片道1枚        7フラン(ユーロになる前です)

 10枚セット(カルネ)    45F

 5枚セット          25F

 割引切符10枚セット    25F

   一日券                  16F

   空港までのバス切符     32F

 一週間券           50F

から選択し右の四角いボタンを押します。

ちなみにバスとの共通券です。

 

2のVERIFIERは確認しなさいで

一番右上のディスプレイに値段が表示されます。

 

3のINTRODUIREはお金をいれなさいで

ディスプレイ下にある投入口に硬貨を入れます。

お札は使えません。またつり銭が出たかどうか忘れました。

 

切符を買ったら乗車時、車内乗降口のところに刻印機があり乗車日時を打刻します。

降りる時は何もせず、そのまま下車。

 

一日乗車券TICKET JOUR、大きさは普通の切符と同じ大きさ。

12月22日9時24分に打刻してました。

 

これがいわゆる信用乗車方式と言われているものの一例です。

スイスでは信用乗車方式の電車、路面電車は黄色い目玉マークがついています。

 

つまり運転手は一切乗車料金収受には関わらない。

なら無賃乗車が出来るじゃないかって?

そうです、出来ます。

ただし抜き打ちの車内検察があり、

問答無用で料金の20倍(一例)を払わせられ、割に合わないようになってます。

 

信用乗車方式は決して乗客を信用しているわけではなく、

このほうか運転手は運転に集中し、かつ乗降時間の短縮で遅延が少なくなるという合理的判断です。

 

宇都宮ライトレールではせっかくLRTを新規導入したのだから

信用乗車方式にしたかったハズですが、諸般の事情でNGだったのでしょう。

 

個人的には今回導入できるチャンスを逃したので日本ではもう無理かなと思う反面、

人手不足対策という観点から将来バス等も含めどこかであり得るかなとも思い始めてます。

 

最後に、フランスでは1985年にナントが最初にLRTを導入したのですが、

なんでナントが最初だったのか?

 

というのはフランスでは1975年に国が率先して、LRTの開発に乗り出しました。

オイルショック対策としての脱化石燃料化です。

要は原発に頼るってことなんですが。

 

知っている人もいると思いますがTGVの第一試作車TGV001はガスタービン車です。

これもオイルショックにより電気方式に変わりました。

 

ところで1975年に国が声掛けした都市は中堅都市のボルドー、グルノーブル、ナンシー、ニース、ルアン、ストラスブール、トゥーロン、トゥルーズの8都市でナントは含まれていません。

 

ナントも含め70年代から自動車による交通渋滞や環境悪化に頭を悩ませていたはずですが、

なぜナントが最初の導入となったのか、イマイチ分かりませんでした。

なんせ鉄道雑誌や本でしか情報源が無かったのでしょうがないですが。

 

そして鉄道雑誌の広告で下の本を見つけ、フランス語がで出来なくても

写真、表、イラストでなんとか概要は掴めるかなと出版元から入手。

ところがどっこい、中身は100%アルファベットのフランス語だけ。萎えましたショボーン

今ならOCRスキャンして自動翻訳という手が使えますが・・・

鉄仲間もいらないと言うし、結局資源ごみにえーん

なのでなぜナントが最初だったのか、いきさつは不明のまま。

まあ、今となってはどうても良いことですが・・・

 

 

おまけ

ナントを訪れたのは1992年クリスマスの直前の12月22日です。

バスの行き先表示部には”JOYEUX NOEL” メリークリスマスとニコニコ

今では珍しくないですが、この時初めてLEDはこんなことが出来るんだと目から鱗でした。

 

 

本日はHappy Railwayにご乗車ありがとうございましたぁニコニコ