成長のためにレベルの高い人と付き合う | 「売れる仕組みづくり」を伝えるコンサルタントのブログ

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[要旨]

経営コンサルタントの板坂裕治郎さんによれば、業績が改善しない中小企業経営者の方は、居心地の良さを優先し、付き合う人を変えようとしないそうです。しかし、そのままでは自分自身を変えるきっかけはできないので、居心地が悪くても自社よりも業績の良い会社の経営者と会うようにしなければならないということです。


[本文]

今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの板坂裕治郎さんのご著書、「2000人の崖っぷち経営者を再生させた社長の鬼原則」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、板坂さんによれば、成功している経営者の方は、イケイケドンドンのタイプと、石橋を叩きながら橋を渡るタイプの2つのタイプがあるそうですが、両者に共通していることは、失敗から多くを学ぶ姿勢を持っているということについて説明しました。

これに続いて、板坂さんは、経営者が自分を成長させるには、人との出会いを増やすことが大切ということについて述べておられます。「中小零細弱小家業の社長さんたちの多くは、『忙しい』を理由にして、新たな人との出会いの場を避けていく。何年経っても、昔の仲間と飲んでいる。社内の飲み会、同業他社の社長さんとのネットワークの中で、人付き合いをすませてしまう。その裏には、いつまでも、小さなコミュニティの中で、“お山の大将”でいたいという自意識がある。気心がしれてい居心地はいいだろう。

だが、何年経ってもいつものメンツとしかつるまないでいるのは、みすみすチャンスを逃しているのと同じことだ。ましてや(中略)誰ともつるまず、1人でウジウジやっているのは、本当に意味がない。『自信がないけぇ…どうのこうの、と。お前の自信なんか、どうでもええわ!そんなこと言っとる暇があったら、いろんな人と会ってこいや!ええか!わしが、どん底に落ちてもこうやって今があるのは、知り合いの数が半端なく多いからじゃ。その数だけチャンスをもらっとるんよ!

その知り合いも、ここ1年、2年で作ったんじゃない。ちょっとずつ育んできて時間がかかっとるんよ!今のお前を見て誰が、お前と遊んでみたいって思うと思うや。このどアホが』と。泣き言を言う暇があったら、人との出会いを増やしていくべきだ。それがいちばんのスランプ脱出法にもなる。人は成長するから付き合う人も、取り巻く環境も変わっていく。いつまでも付き合う人や環境が同じということは、何も成長していない証拠だ」(220ページ)

前回の記事で、私は、失敗することを避けようとして、新しいことをしようとしない経営者が多いと書きましたが、そのような経営者は、今回、板坂さんが、居心地がいいという理由でいつまでも同じ人と付き合っている人と考え方が同じだと思います。そして、新しい人と会うということは、それほど難しいことではないので、つまるところ、付き合う人を変えない(=成長する機会を逃す=新しいことをやろうとしない)のは、経営者ご本人の意思ということになります。

では、経営者本人が付き合う人を変えるにはどうすればよいのかというと、これまで私が中小企業の事業の改善のお手伝いをしてきた経験から感じることは、「馬を川に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」ということになると思っています。すなわち、周りの人がいくら働きかけをしても、本人にその意思がなければ、進展はないということです。少し本旨から外れますが、また、上から目線で恐縮ですが、部下たちにお手本を示すべき立場の経営者が、居心地の良さを優先して、付き合う人を変えないのであれば、そのような方は、経営者としての資質に疑問があると、私は考えています。

話を戻すと、人は誰でも現状を維持しようとする「現状維持バイアス」を持っているので、付き合う人を変えようとするのであれば、それはご自身が決断するしかありません。ちなみに、私も、私より活躍している経営コンサルタントの方、ビジネス書作家の方と、努めてお会いするようにしています。もちろん、自分より活躍している方を目の前にすると、今の自分を変えなければならないと、気持ちが落ち込んでしまいます。でも、その落ち込んだ気持ちは、現在の行動を変える決断につなげることもできます。したがって、現状を変えなければならないと考えている方は、少しずつでもよいので、自分より活躍している人とお会いすることから始めることをお薦めします。


2024/6/6 No.2731