「売れる仕組みづくり」を伝えるコンサルタントのブログ

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「売るだけの経営者」から「売れる仕組みを創り出す経営者」へパワーアップしたい経営者を応援するブログ

[要旨]

北の達人コーポレーションの社長の木下勝寿さんによれば、価値とは、どれだけ他者の役に立つかということであり、それはお金を渡す側が決めるということです。すなわち、商品を提供する側が、「自分は相手の役に立っている」、「一所懸命に働いている」と思っても、相手がそう思わなければお金を支払わないということです。


[本文]

今回も、前回に引き続き、北の達人コーポレーションの社長の木下勝寿さんのご著書、「売上最小化、利益最大化の法則-利益率29%経営の秘密」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、木下さんによれば、利益が絶対の目的であり、売上はそのプ口セスと考え、月次で利益を管理しており、さらに、利益総額ではなく、採算の悪い部門については取扱をやめ、無駄なコストが発生しないようにしているということについて説明しました。

これに続いて、木下さんは、価値とは他者の役に立つ度合いのことだいうことについて述べておられます。「Aさんは自分でつくった鍬(くわ)で畑を耕していた。あるとき、隣の畑を耕すBさんを見て驚いた。Bさんの鍬は特別仕様でつくられてくられていて、同じ時間で2倍の仕事がこなせる。Aさんは、『ぜひその鍬と同じものをつくってくれ』と頼んだ。Bさんは、『いいけど、あなたの鍬をつくっていると、私が作物をつくる時間がなくなる。

鍬をつくる時間分に相当する作物を分けてくれたら引き受けるよ』と言った。こうして物々交換が誕生した。やがてBさんの鍬は評判になった。あるときCきん、Dさん、Eさんが作物を持ってBさんの家にやってきた。『Bさん、この作物をあげるから、私たちにも特別仕様の鍬をつくってくれないか』Bさんは困った。たくさんの作物をもらっても、食ベる前にいたんでしまう。

するとCさんが、『それなら好きなときに私の作物と交換できる券をつくろう』と兌換券(だかんけん)を渡した。こうして通貨が誕生した。(現実には金が価値を保証する金兌換券だが)兌換券1枚=特別仕様の鍬=鍬をつくる時間に相当する農作物3つが同じ価値になった。(中略)モノやサービスの価値を置き換えたものがお金だ(ここでは兌換券)。お金は人の役に立つともらえる。

価値とは、どれだけ他者の役に立つかということだ。役に立つかどうか、価値があるかどうかは、お金を渡す側が決める。『自分は相手の役に立っている』、『一所懸命に働いている』と思っても、相手がそう思わなければお金を支払ってはくれない。私があなたに唐突に『1万円ください』と言ったら断るだろう。では、どんなケースなら1万円を私に渡すだろうか。それは1万円分、あなたの役に立ったときだ。

つまり、金額分、相手の役に立たないとお金は絶対にもらえない。Bさんは特別仕様の鍬をたくさんつくり、たくさんのお金をもらった。人に役立つ度合がお金の量で、Bさんの社会への貢献度ということになる。では、毎日の仕事ではどうか。樣々な価値のある商品・サービスを提供する。それに見合った対価をもらっている。つまり、稼いでいる会社は多くの人の役に立っている」(77ページ)

ニューヨークでは、一蘭のラーメンが、日本と比較して値段が高いことは広く知られています。正確な価格は分からないのですが、UberEatsのWebPageを見ると、とんこつラーメンが23ドル(約3,600円)です。とんこつラーメンの価格は日本では1,000円前後ですから、ニューヨークではその3倍以上もするということです。もちろん、日本と米国では物価やコストが異なるので、単純に比較はできませんが、米国では一蘭の商品が高く評価されていることも事実だと思います。

引用部分の主旨から外れますが、もの余りの現在でも、価値があるものに顧客は代金を支払ってくれますが、その価値があるものが何なのかを見つけることが難しくなっているのだと思います。木下さんは、「役に立つかどうか、価値があるかどうかは、お金を渡す側が決める。『自分は相手の役に立っている』、『一所懸命に働いている』と思っても、相手がそう思わなければお金を支払ってはくれない」とご指摘しておられます。

上から目線で恐縮ですが、私がこれまで中小企業の事業改善のお手伝いをしてきた経験から感じることは、業績があまりよくない会社に共通していることのひとつは、経営者の方は、自社の商品は価値があるという前提で事業を行っているということです。これを言い換えれば、経営者の方は自社の商品は価値がある考えているから、毎月、利益がどれくらい出ているか、把握する必要もないと考えているのだと思います。しかし、前回の記事でお伝えしたように、木下さんは利益管理を行っています。

これは、自社の商品の価値は顧客が決めるという前提で、その評価を迅速に把握しようとしているからでしょう。繰り返しになりますが、「価値は顧客が決めること」という前提はほとんどの人が同意するものと感じられますが、実際には、前述したように、売上や利益について迅速に把握しようとする中小企業の経営者は、割合としては低いと、私は感じています。


2026/4/23 No.3417