【BOMの系列切れチェック】

 前回、MRPとBOMの系列切れについて書きました。

 MRPの仕組みやBOMの重要性を説いた書籍や記事は
 多々ありますが、

 具体的にMRPの仕組みにおいて
 なぜ、BOMが重要かを解説した情報は少ないですね。

 さらに、精度を測定しチェックする方法など
 皆無に近いと思います。


 なので、MRPやBOMを導入しても、
 手配漏れが発覚するのは、

 組立前に部品を揃えたりしている時で、
 あわてて緊急手配などしているのが
 実情ではないでしょうか。

 
 定義できないものは測定できない
 測定できないものは改善できない


 ですから、今回は系列切れをチェックする
 簡単な方法について書きたいと思います。



 前回、系列切れは部品の親子ペアに
 アンマッチがある状態と定義しました。

 実際の製品ではこの状態では、
 物理的に「もの」が成立しないので
 これを100%とします。

 一方、BOMは情報に誤りがあると
 系列切れが発生します。

 親子ペアが1000ある製品で、
 BOMの系列切れが1つあれば、

 精度は99.9%

 ということになります。


 MRPが機能するには、98-99%以上と
 いう人もいますが、

 末端部品が切れているのと
 組立で切れているのでは影響度が違います。

 組立の場合、そこから下位の部品が全て
 手配漏れとなりますからね。

 あくまで数字は目安です。



 一つの製品について、
 この親子ペアのアンマッチを探せば
 系列切れをチェックできます。

 系列切れの数を測定すれば、
 BOMを改善して、精度を向上できますね。


 それでは、Excelを使用した
 親子ペアのアンマッチの探し方です。


 まず、親無しを探します。

 親無しは、
 どの親部品からも使われていない部品です。

 基本的には、製品を示す最上位の部品以外は
 系列切れの可能性があります。


 Excelのシート1に
 A列に子部品番号、B列にその親部品番号
 を入力します。

 シート1
 子  親
 A列 B列
 B    A
  D    C

 なお、この親子(子→親)ペアのデータは、
 PLMなどのBOM管理システムでは、

 シングルレベル逆展開

 という機能で簡単に取り出せます。

 シート2には、
 A列に部品番号を入力します。

 シート2
 A列
 A
 B
  C
 D

 次に
 シート2のA列の部品が、
 シート1の子(A列)にあるか否かを
 COUNTIF関数かVLOOKUP関数で調べます。

 ここで見つからない場合、
 親が無いということです。

 Aは製品なので問題ありませんが、
 Cが親が無いのは系列切れです。



 次に、子無しを探します。

 子無しは、
 どの子部品も使用していない部品です。

 基本的には、最下位層の部品以外は
 系列切れの可能性があります。


 Excelのシート1に
 A列に親部品番号、B列にその子部品番号
 を入力します。

 シート1
 親  子
 A列 B列
 A    B
  C    D

 なお、この親子(親→子)ペアのデータは、
 PLMなどのBOM管理システムでは、

 シングルレベル正展開

 という機能で簡単に取り出せます。

 シート2には、
 A列に部品番号を入力します。

 シート2
 A列
 A
 B
  C
 D

 次に
 シート2のA列の部品が、
 シート1の親(A列)にあるか否かを
 COUNTIF関数かVLOOKUP関数で調べます。

 ここで見つからない場合、
 子が無いということです。

 Dは最下位層の部品なので問題ありませんが、
 Bが子が無いのは系列切れです。

 これから、本来は、
 A-B、B-C、C-D とつながっているはずが、

 B-Cの親子ペアが無いために
 系列が切れてしまっています。



 なお、親も無く、子も無い部品は、
 BOM上で不要な部品である可能性もあります。



 産業用機械のように親子ペアが数千系列程度
 であれば、この方法でも十分チェックできますが、

 航空機のように数万~数十万系列ある場合は、
 親子ぺアを照合するバッチプログラムを
 作る必要があります。

 ただし、その場合も考え方は同じです。
 

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 兵法三十六計 第三十五計 連環計
 https://www.kigyo-systems.com/mag/Vol00336.html

  あたかも鎖の環が連なり合うように、
  複数の兵法を連続して用いるものである。
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 研究テーマ
「BRMS* によるスマート・エンタープライズ実現
 と企業価値最大化に関する研究」
 *Business Rule Management System

 Research theme
「Study on the Smart Enterprise Implementation
 and Maximize Corporate Value by BRMS」

 経済産業大臣認定情報処理技術者 
  システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者
 日本ITストラテジスト協会会員
 日本生産管理学会会員、標準化研究学会会員

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