※このブログはソーシャルゲーム・ステーションメモリーを絡めて展開します。不明な表現については無視してください。
monologue
蓮台寺ナギサ
伊豆半島のいちばん南、石廊崎まで旅してキンメダイをいただいてきたんですよ!
そしてバスと電車に揺られて、今日のお泊まりは蓮台寺の金谷旅館さんです!
あれ、蓮台寺って私達の生まれた街じゃないですか?
それではこれって先祖帰りってことですか?
(里帰りや!魚の進化から離れなさい…)
蓮台寺ミオ
伊豆の海と山、その自然の中でナギサも私も創造され生まれたらしい…
マスターと共に船に乗りその伊豆の海を旅して、今生誕の地に辿り着いた
湯のさと、蓮台寺…一体ここには何があるのだろうか?そして私はなにをすればいい?
マスター命令を…
(今日はリラックスしてゆっくり休めばいいのだ)
furrow.5 金谷旅館の泉質と成分
金谷旅館には千人風呂と男女各露天、および一銭湯と呼ばれる貸切浴場と様々な浴場があるのだが、これらに注がれる源泉は二種類ある。
二種類は単一の源泉がそのまま注がれているのではなくて、三本の源泉を独自にブレンドした二種類の源泉ということになっている。
それはおそらく金谷旅館さんの秘伝の配合なのだろう。スパイスの妙といった類いのこだわりかもしれないし、単純に台所…いや風呂場事情かもしれない。
酔客はそんなこと深く考えずに与えられるままに味わえばよいのである。
それぞれの源泉は概ね同じような数値であるから入り心地はそれほど違わないのだろうが、温度が36.0度、48.3度と違っている。加水されていないので一方が温めでもう片方が熱めということになるのだろう。
陰イオン(アニオン)の項目では塩化物よりも硫化物、炭酸水素の項目の方が上回っていて、海に近い温泉としてこれは意外に感じた。
泉質こそ単純泉だが、多様な浴槽に豊富な湯量が次々に掛け流されるので見た目にも豪勢であるい効能も高いだろう。
一般に勘違いされやすいのは単純泉は成分が薄いから効能も薄いだろう、と思われている点である。
成分が濃厚でなくとも掛け流しであれば新しい湯が次々に供給されるので、身体が受ける成分の総量は入浴時間に比例して増してゆく。なので、溜置きや循環のものに比べて効能は期待できる道理になる。これは殊更に主張しておきたい。
furrow.6 金谷旅館の風呂を巡る夜
まずは千人風呂を訪れる。男湯の内風呂がこれになるのだが、女性専用の内風呂からも通用口があって、それは男湯の更衣室との扉とは反対側の木戸である。
15mもの湯舟を隔てているので対岸は湯煙のたなびく彼方にあって見えない。
が、今宵この時にあっては広大なこの浴そうに佇むのは小生ひとりのようである。
この内湯自体の面積もそうなのだが、天井も高く相当な規模であるのを感じさせる。湯は無色透明で無臭に近いものの熱めの湯から蒸発する気化成分も独り占めしていることを考えると一段と贅沢な心持ちになってくる。
そしてこの建物自体が昭和初期からの総檜づくりであるので、今まさに歴史に浸りレトロな空気を満喫しているのである。
続いて一銭湯へ赴く。これは内側から鍵をかけることで貸切にできる湯小屋で、一つの棟に2箇所の浴室が並んでいる。こちらも檜づくりで年季の入った引き戸を開けると、竹樋の湯口にシンプルな仕切のある浴そうがなんともいえぬ風情を漂わせている。
浸かると、湯口から遠い浴槽はやや温めである。確かめてみると三つに仕切られたうちで湯口に近いほど熱くなっているようである。
千人風呂も勿論評判通りの素晴らしさだったが、一銭湯は気兼ねなく湯船を独占して長く楽しめるというのが至って贅沢でよい。湯小屋はこぢんまりとしているが、その中にドドドと掛け流される湯の音が響くのがとてもよい。
貸切札を掲げて中で酒を楽しむ向きもあるのだろう、などと考えてみるとビールしか用意してなかったことが悔やまれる。
掛け流しと呑み流しのコンチェルトはさぞかし壮観なことであろう。
ひとしきり各浴場を巡った後にこちらも部屋へ戻って買い置きしておいたビールとつまみで夜更かしを楽しむ。
干物は無論キンメダイで、昼間に遊覧船に飛び込んできた鯔を見たのでカラスミも買ってしまった。これで日本酒を用意してないというのがいささかの手落ちであるが、ビール相手でもなかなかうまい。
夜は瞬く間に彷彿と昇華してゆく。千人風呂の湯煙のように無限でないのは残念であった。
furrow.7 百名瀑、浄蓮の滝へ
翌日は日本百名瀑のひとつに数えられている浄蓮の滝へ脚を伸ばした。
浄蓮の滝は中伊豆の奥へ分け入った場所にあって、下田から修善寺行きのバスに1時間ほど揺られて最寄りの停留所に辿り着く。
そこから目指す滝まではやや険しい山道を15分ほど歩くことになるのだが、この道中にわさびに埋め尽くされた沢や茶屋、売店、踊子の像などの観光スポットがあるのでなにやら緩い雰囲気である。
浄蓮の滝は、それは美しい佇まいで神秘と呼ぶにふさわしい魅力があった。
落差ころ25m程度の規模なのだが、流れ落ちる滝幅とのバランス、岩盤の柱状摂理の模様が独特で絵になっている。
加えて滝壷から広がる瑠璃色のグラデーションはまるでおとぎの世界の景色でなんとも艶やかなのである。
これは百名瀑に選ばれるだけのことはある。
この絶景こそが伊豆の火山活動とその溶岩流が造り上げた、自然の躍動の結晶である。
伊豆は海ばかりでなくこんな山の中にも多くの見所があるのを知らしめる。
帰りに、先達て見ることのできなかった伊豆七滝の大滝へ足を運んでいわゆるリベンジを果たした。
そしてわさびとろろそばをいただいて帰路についた。
Epilogue
河内温泉と浄蓮の滝を旅してうちのヒューマノイド達の感想