これはステーションメモリー(駅メモ)という特別な世界線と現代が交わる非日常を旅する物語である。

 

 

でんこと旅先郵便貯金.32 河津町篇

 

 

 蓮台寺三姉妹のナギサの親友の今井浜マオをお迎えしたので、早速今井浜駅の近くにある宿泊施設の心のどかさんにご厄介になり、河津駅前に出て料亭の海広さんで歓迎会を開いた。

 

マオ「ハワイは冬でもあったかいらしいけど伊豆には温泉があるから寒くても暖かいよね。」

ナギサ「お魚もたくさんいるんですよ。」

 

ミオ「…冬でも暖かいという話から方向がずれてる。」

 

 そういいながらも新しいヒューマノイドと妹とのお喋りを優しいまなざしでミオは見守っている。これが何より温かく感じる。

 

▲料亭海広にて

 

●今井浜海岸駅の歴史とロケーション

 

▲河津駅と河津郵便局周辺図

 

 河津駅は伊豆急行線開通の1961年(昭和36年)と同時に開設されたが、今井浜海岸駅はその翌年の1962年に今井浜海水浴場駅という名称で臨時駅として開業した。

 

 今井浜海岸駅の周辺は海岸近くまで山が迫った狭隘な土地なので集落と呼べる程のものは形成されておらず専ら観光利用の駅になっているようである。

 

 それでも開業から2021年までは駅員が配置されていた。

 

 駅前にはかつてサンシップ今井浜という日帰り入浴施設があったのだが老朽化によって取り壊され、跡地には海辺でバーベキューなどを楽しめる総合リゾート施設がオープンしたようである。

 

 また東急ホテルや心のどかなどの旅館が点在して観光客を迎えている。

 

 ただし、近年は伊豆下田病院が移転してきたので通院の利用客も多く訪れる。

 

 今井浜海岸から河津までは尾根に阻まれているが、実は近くて国道のトンネル脇にある歩道づたいに15分程度で河津の街へ出られる。

 

●河津駅の歴史とロケーション

 

 河津駅は特急踊子号が停車する伊豆急行線の主要駅のひとつで、列車が到着する度に「天城越え」の有名なサビのメロディーがホームに流れる。

 

 近年は沿線の駅が無人化されてゆくので、その業務を肩代わりしており定期券や列車の予約に訪れる人が多く見受けられる。

 

 河津川の河口に開けた河津町の玄関口にあたるので通勤通学の利用客で朝夕は賑わうが、駅周辺には観光地が多く存在するので時間を問わず訪問者が途絶えることはないようである。

 

 駅前には海鮮料理や伊豆そばの店、土産物やなどが並んでいて、昨夜お世話になった海広さんも駅前の県道沿いに店を構える。

 

●駅逓・河津郵便局

 

 今井浜海岸の駅周辺には郵便局がないので、マオの実家最寄り局は河津郵便局になる。

 

 河津郵便局は駅から北の方角のバス路線沿いにあって、郵便局の名前のバス停が局の前にあるので利便性が高い。

 

 「みんな集まって記念撮影するなの。」

 

 おでかけカメラがリニューアルされたので複数のヒューマノイドが一緒に写真に納まる。今回は大所帯だ。

 

▲河津郵便局

 

 河津局の局印には河津桜の色で花を象ったマークが描かれていて非常に凝っている。

 

▲河津郵便局印

 

●河津郵便局近くの見所へ赴く

 

 まだ河津桜の見頃には早いので、河津川に沿った遊歩道を歩いても人はまばらである。

 

 ただ、水仙や菜の花などはもう花期を迎えていて、名物の河津桜の並木の中にはもう花をつけているものもある。

 

▲河津川沿いの花達

 

 この遊歩道を北へ向かって歩きつつ対岸へ渡って今回は峰温泉の大噴湯を目指す。

 

 噴泉塔は川俣温泉や鬼首にもあるのだが、ここのは東日本最大を謳っている。

 

 こちらは入場自体は無料であるが卵をゆでたりするのは別途料金が必要である。小生は卵のかわりに併設の物産店でポン柑をひと袋と地場椎茸をひと袋購入した。

 

 噴湯自体は自然のエネルギーによって天然に押し上げられて発生するのだが、一時間に一回という決められた時間に催されるのは人工に制御されているかららしい。

 

 その時間が近づくにつれてゾロゾロと人が集まってくるが、てんでバラバラに自由に佇んだり歩き回ったりしながらその時を待っている。

 

▲峰温泉大噴湯

 

 しかし、轟音と共に熱せられた湯が豪快に天を突くように迸ると一斉に声を揃えて「おおっ!」という大歓声が上がる。

 

 大噴湯を見終えて、再び桜がまばらに咲く河川敷を駅まで戻る。

 

 「河津桜が見れなくて残念だね。ハワイのハイビスカスは冬でも見れるのになぁ…。」

 

 マオが残念がるので4年前に訪れた時の画像をでんこ達に見せてやる。

▲河津桜

 

▲城ヶ崎桜

 

▲寒緋桜

 

 「おぉ、いろんな色の河津桜があるねー。」

 

 「河津桜は寒緋桜と大島桜の配合品種でね。城ヶ崎桜という異なる色合いの近親種があるんですよ。」

 

 歴史に詳しいミナトが説明すると、マオは一層興味を示した。そういえば4年前はミナトもまだ着任していなかったなぁ…。

 

 奪取er協会が毎年イベントを開催するせいでもう伊豆は10回くらい来ているのだが、また河津桜の時期に来なければならないようである。

 

 

神戸新聞杯を振り返ります。

 

 

レース回顧

 

 

 譲られる形でハナに立った3.ゴーラッキーがペースを落とすと、2周目から交わして8.シートゥサミットが先頭を奪うがペースは変わらずに1,000mが1分1秒台の超スローペース。

 

 4コーナーでは11頭がほぼ一団のまま直線に入り、先頭集団から抜け出しを図る各馬が横一線で叩きあうという長距離戦とは思えない上がり勝負に持ち込まれた。

 

 長い直線の前半は前につけた8.シートゥサミット、3.ゴーラッキー、2.エイシンインアウトらが粘り込むかに思われたが、内枠から早い段階で大外に出していた1.ロブチェンが各馬をねじ伏せるように豪快な末脚で交わし去る。

 しかし後方から内を掬って伸びた1.アルトラムスが最後に鋭く伸びてゴールは際どい態勢になった。

 

 写真判定の結果、ロブチェンが圧倒的人気に応えて辛くも勝利していた。

 

 

レース考察

 

 

 1着◎ロブチェンは超スローの決め手勝負を不利な大外から差し切っており、着差以上に強い内容だった。

 2着△アルトラムスは内々を突いたものの上がりはメンバー最速をマーク。決め手比べで勝った。

 3着のシートゥサミットはひとえにマイペースに徹した酒井騎手の好騎乗。

 4着ゴーラッキーは、予想していたようにトライアルの時計勝負は向かない。菊花賞では怖い存在になるはず。

 5着▲エムズビギンは最後方から上がり2位の脚を使っているが、これが精一杯だと思われる。

 6着◯コンジェスタスは太目残りで反応が悪かった。それでも上位との差はわずか。

 

 1着から6着のコンジェスタスまでは上がりの600mが33.5から34.1と僅差の勝負になっていて、正直なところスロー過ぎて参考にできる要素は少ないですね。

 

 ただロブチェンは大外を振り回して上がり33.8なので性能は一枚上に思います。あとは今回戦った鞍上、特に武、ルメール騎手が本番乗る馬の力にどの程度プラス効果をもたらすか、ですかね。

 

 コンジェスタスもまだ見限れません。今回は調教からいかにも余裕残しだったので、叩いて本来の力を発揮すると思います。

 

 

今週は神戸新聞杯の予想をします。

 

 

 ここはロブチェンとコンジェスタスの2頭を中心に考えます。

 

 コンジェスタスのダービーでは勝負処で前の詰まる不利があったので巻き返しておかしくない。ただ、仕上がりはやや余裕残しのように思います。そこがどうか?

 

 指数的に逆転のありそうな馬はアルトラムズ、グリーンエナジーですが共に後ろから構えて行きそうなのでハイペースになりにくいトライアルでは3着までか…

 

 春はトライアルで好走していたカムアップローゼス、エムズビギンをヒモ穴に、成長度合いのわからないショウナンハヤナミをいちおう押さえます。

 

3連複 1=7-4,5,6,9,11 2点流し 200円×5点

3連単 1,7=1,7-4,5,6,9,11 2頭軸裏表 100円×10点

 もう日本では夜行列車という名前はがふさわしい列車はなくなってしまった。

 サンライズという寝台列車は優等列車はたしかに夜通し走る列車には違いないが、優等列車なのでかつての夜を徹して目的地に向かうイメージとは少し違う印象なのである。

 

 特別感や改まった気持をともなわない、たいした準備もなくふらっと飛び乗った列車が長い時間を擁して遠い場所に運んでくれる。

 

 小生の思い浮かべる「夜行列車」とはそんなイメージであり、記憶であった。

 

 昭和末期の日本には、そんな夜行列車が全国に数多く存在していた。

 山陰本線を走る「山陰」もその代表格ともいえる夜行列車だった。愛称はつけられているが、急行料金も指定料金もいらない普通客車を連結した鈍行である。

 

 その山陰には過去一度だけ乗車している。

 国鉄時代に廃止された倉吉線を訪れるためであった。

 

 京都を出発して、出雲市まで走る山陰を早朝の倉吉駅で降りると、ホームの傍には既に青い旧型客車を従えたDD51が発車合図を待っていた。

 

 倉吉線は倉吉から20.0km先の山守までを基本2両編成のディーゼルカーが結んでいたのだが、途中の関金駅まではディーゼル機関車の牽引する旧型客車も往復していた。

 

 行き止まりの盲腸線に客車列車を運用させるのは当時としても珍しい光景だった。

 

↑打吹、西倉吉駅周辺図

 

 倉吉線は終点の山守こそ無人駅だったが、打吹、西倉吉、上小鴨、関金と4つもの駅に職員が配置されていて入場券を売っていた。

 

↑打吹駅入場券

 

 西倉吉では時間があったので駅から古い街並のある市街地まで歩いた。

 

↑西倉吉駅入場券

 

 倉吉の街は山陰本線の倉吉駅よりもここ西倉吉駅の方が市の中心に近い。

 その旧市街は由緒有りそうな木造の古い家並が立ち並ぶ区画に堀の廻らされていて、人も疎らな早朝の辻に立つと時の樒を踏み込んで江戸時代にでも迷いこんだかの錯覚に襲われたものだった。

 

 その倉吉線も訪れた翌年に廃止され、さらに40年の時が経った。

 

 

 

 津山から奥津温泉、三朝温泉を自転車で立ち寄り宿泊した後に久々に倉吉の街を見たくなったので、猛暑の6月に天神川を渡ってこの方面へハンドルを切った。

 

 久々に訪れてみると、あの静けさに支配されていた倉吉の街はすっかり観光色が強くなっていて、旧家屋の軒先には土産物や地元の特産品が売られたり、カフェを営んだりしていた。

↑西倉吉赤瓦白壁土蔵群

 

 現在は赤瓦白壁土蔵群の名前で国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて多くの観光客で賑わう。

 

 その赤瓦一号館で目玉のおやじサイダーを買い求めて軒先で飲み干す。

 こうしてクロスバイクを止めて水や糖や塩を補給するのはライドの醍醐味である。

↑ライドの途中で

 

 倉吉の土蔵群の中にレンガ造りの建物から空に伸びる煙突がみられるが、これはワイン蔵でウイスキーの醸造にも用いられているらしい。

 

 その産物と思しきハイボールの大山を買い求めて、寝台特急サンライズに乗るために倉吉駅から輪行で米子へ移動した。

 

 

 夜汽車の風情とは違った厚い窓の向こうに流れる景色を肴に、居酒屋サンライズの夜は更けてゆく。

 これはステーションメモリー(駅メモ)という特別な世界線と現代が交わる非日常を旅する物語である。

 

 

でんこと旅先郵便貯金.31 下田市篇2

 

 

引き続き下田の郵便局から…

 

▲伊豆急下田と下田郵便局周辺図

 

「下田港。漁港の南に神津島や利島へゆく旅客フェリーも出てるよ。」

 

 駅メモのイベントでお迎えした下田莉華の案内にしたがって下田市街の海沿いにやってきた。

 

▲下田港

 

「この建物は安直楼。唐人お吉と呼ばれた悲運のヒロインが営んだ小料理屋が当時の姿のまま現存しているの」

 

 斎藤きちという女性はアメリカ総領事ハリスの妾として派遣されたが、わずか3日後に解雇されてしまった。

 その後のきちは外国人に身を売った唐人との蔑称で呼ばれ差別と偏見に苦しみ、ハリスの元へ送られた際の支度金で開いた店もわずか2年で廃業する。物乞いに身をやつして最後は嵐の夜稲生沢川に身を投げて生涯を終えたそうである。

 うろこ壁のこじんまりした建物は、木造の窓枠などが丁寧に保たれていて下田市のまち遺産に指定されているが、その暗く沈んだような色合いはまるでお吉の悲しみが染み込んだようである。

▲安直楼

 

 この安直楼の近くには、明治期から続く土藤商店という酒屋があってレトロなホーロー看板を陳列している。その所蔵数はかなりのもので貴重と目される品もある。

 

 こちらで今宵の温泉宿の夜宴用のクラフトビールを調達する。

▲土藤商店のホーロー看板

 

 街歩きを終え、下田市街の駅よりに位置するごろさやさんで伊豆の海の幸を堪能して蓮台寺に向かう。

 キンメダイの煮付けは最早伊豆に来る度に食べているが、酒にも飯にも好相性で何度食べても旨い。

▲ごろさや

 

●蓮台寺駅の歴史とロケーション

▲蓮台寺駅と下田蓮台寺郵便局周辺図

 

 蓮台寺の駅は稲生沢川の東側の立野という地名に位置しているが、主だった集落があるのは川を渡った先の河内や蓮台寺である。

 この2つの集落にはそれぞれ温泉が湧出していて旅行者も多く訪れるのだが、かつて特急踊り子号も停車した蓮台寺駅は現在無人駅になっている。

 

 駅前からは下田と西伊豆方面を結ぶバスが停車するロータリーがあって、主に電車で伊東方面から乗り継ぐのに便利である。

▲蓮台寺駅

 

●駅逓・下田蓮台寺郵便局

 

 下田蓮台寺郵便局は駅から徒歩7分程度の距離で河内と蓮台寺双方の集落の境界付近に位置していた。

 バス路線に面しているのだが最寄りの停留所は稲生沢小学校に名称を譲っている。

 

 とりわけ観光色が強い訳でもなく地味な印象の特定局である。

 

 ここで蓮台寺ミオの里帰りと旅先貯金を済ませる。蓮台寺は三姉妹なのでもう2回来なくてはならないのか…

 

▲下田蓮台寺郵便局

 

 局印には桜のイラストが描かれていた。おそらく河津桜だろう。

 

▲下田蓮台寺郵便局印

 

 昨年は蓮台寺温泉のお宿星めぐりに宿泊したが、今回は河内温泉の金谷旅館にご厄介になる。

 金谷旅館に泊まるのは2回めで、今回は由緒ある本棟ではなくて別館に案内された。

 

 名物の千人風呂や貸しきり風呂は本棟の敷地にあるので一旦公道に出てから赴く。

▲金谷旅館の貸しきり風呂

 

 

「下田にはまだまだ見所がいっぱいあるの。また来こようね。」 

 

「ナギサやミナトとも蓮台寺のメモリーを集めに来ると思う。」

 

 うーん。まぁ心配しなくとも、また駅メモのイベントが来年も開催されるだろう。