※このブログはソーシャルゲーム・ステーションメモリーを絡めて展開します。不明な表現については無視してください。


Prologue



▲南伊豆のレリーフ地図


 「南伊豆のいちばんはしっこですよ!」

 「

 

 最近やってきた蓮台寺ナギサはミオの妹のヒューマノードである。

 いやヒューマノイドに血縁というものはないから、ミオとナギサはとある姉妹をモチーフにしたヒューマノイドなのである。


 「お魚が沖で跳ねています。あれは鯔といって

 おいおい、あまり船から離れると危ないよ

 海洋学に詳しく、魚をみると興味津々のナギサが海に飛び込みそうな勢いで遊覧船から離れてゆくので気が気ではない。しかし、ヒューマノイドは普通の人には見えないので声を出して止めることはできない。


 「ナギサ戻って。マスターが危ないといっている。」

 「はぁい。」

 姉であるミオの呼び掛けに応えてナギサが戻ってきた。

 

 今日は石廊崎に赴き、岬の先の外洋を巡る遊覧船に乗って景観を楽しんでいる。相模灘と駿河灘のぶつかりあう湾外のうねりはなかなかに激しい。


 至る所に岩礁があり、火山地形が至る所で複雑怪奇な景勝地を造り上げている伊豆半島が連続する先の海底でも入り組んだ様相を感じさせる。


 静かにして活発な伊豆の表情、それはなんだかミオとナギサの蓮台寺姉妹にそっくりのような気がする

▲沖から石廊崎を望む景色とナギサ


▲遊覧船を直撃する波飛沫とミオ


furrow.2 火山地形と伊豆半島.1


 伊豆は至る所に活火山や噴火口があって、今尚地底ではマグマが渦巻いて時折地震を発生させている。同時に地表ではその恩恵として無数の温泉がこんこんと沸き出す。石廊崎もまたそんな険しい伊豆の地形を象徴する景観に満ちていて、散策は船に乗っても歩いても楽しい。


▲石廊崎の火山地形とミオ


 なので今度は陸へ戻って、散策路を岬まで足を伸ばす。オーシャンパークを囲うようにして細いが手入れされた山道が岬へ伸びている。仲秋を告げるすすきの穂が行く手へ垂れ下がってさらに道を狭めているように思うが、さほど労力を必要とせず灯台へ辿り着く。


▲石廊崎灯台


 遊歩道は灯台の横をさらに伸びて、進むとそそり立つ岩肌を一周する形で突端へ至る。この岩肌の頂点に縄が架けられていて聖域であるのを意識する。ここが石廊崎熊野神社だろう。


 岬の突端から水平線が緩やかに弧を描く沖を望む。眼下へ目を移すと、紺碧の海から激しい潮流が突き出した崖へぶつかってコバルトの渦を描いている。なんとも壮絶で美しい眺めである。




▲石廊崎突端の景観


 伊豆急下田へ戻り、駅前の徳造丸さんでキンメ定食を頂く。


▲キンメ定食とナギサ


furrow.3 伊豆急行の駅メモコラボ記念切符


 伊豆急行はかつて全駅に駅員が配置されていて、昭和50年代までは硬券の発売もされていた。当然、出札口にはダッチングマシーンと呼ばれる日付を刻印する器具が備えられていて「カシャン」という音が響いたことだろう。

 入場券は赤線入りの昭和初期を思わせる仕様で、乗車券は伊豆急のマークの地紋が入っていた。


 ソーシャルゲームのステーションメモリーが蓮台寺ナギサ誕生を記念して開催した今回のイベントでは、そんな懐かしい時代を彷佛させる硬券の記念乗車券が発売され、ミオとナギサのキャラクター紹介を兼ねた台紙が添えられている。

 伊豆急の地紋は過去にどこかで見た記憶があるのだが、それが鉄道の駅だったのか金券屋などでのものなのか判然としない。


▲駅メモコラボ乗車券


furrow.4 蓮台寺駅と河内温泉


▲河内温泉の周辺図


 蓮台寺は高架駅で、地下道を経た階下に改札口がある。駅を出てホームを見上げると今乗ってきた特急踊り子号が発車してゆくところであった。


▲蓮台寺駅高架ホーム


 駅を出て稲生沢川を渡ると程なく国道414号線に行き当たる。その角を左に曲がるとすぐに本日お世話になる金谷旅館さんが見えてくる。


▲金谷旅館外観


 蓮台寺の駅を最寄りとする温泉はここ河内温泉と蓮台寺温泉のふたつがある。蓮台寺温泉はいくつかの源泉が点在する比較的新しく掘削されたものであるのに対し、河内温泉は古い歴史を持つ一軒宿である。


 美しい海の景観を楽しみながら入れる下田のリゾートホテルなども、近年までは市街地に源泉がなくほとんどが河内温泉や相玉温泉から引湯していた。

 それくらい湯量が豊富なのでダイナミックな千人風呂が可能なのだろう。規模だけでなく源泉掛け流しで24時間入浴可能というから贅沢至極である。


 また、金谷旅館自体が1863(慶応3)開湯以来150年以上の歴史を持ち、昭和4年から営業を続ける木造の本館と温泉棟を有している。


▲木造建築の佇まい


 千人風呂で有名な金谷旅館だが、貸切の湯小屋もシンプルな造りの檜風呂で長年供用されていて味がある。

 開放感と独占欲の双方を満たす贅沢な時間。金谷旅館の魅力もまた無限に沸いて果てしない。


続く