微かに光が差し込む薄暗い室内で、ナギとシンは背中合わせに立った。
「右腕…」
チラリと肩越しにシンを見たナギが、呟く。
「フン。この程度で、俺の銃弾が狂うわけないだろ」
傷を気遣うナギに、シンが答えて銃を持つ右手に左手を添えた。
言葉とは裏腹なシンの行動に、ナギは表情を引き締める。
シンの銃の技術は信用している。
ナギがどれほど鎌を投げても、その鎖がシンの銃弾を弾いてしまうことはない。
いつも、シンの銃弾は、ナギの鎖の合間を抜けて敵を撃つ。
まだ、彼らが倒さなければならない敵は10人近くいる。
「……下から行く」
「ああ」
短い会話でお互いの意図を確認して、背中合わせだった二人が同時に反対方向へ走る。
ナギの放つ鎌は、敵の足を正確に狙って床とほぼ平行に飛び回った。
時折室内に響くパン、と乾いた音は、ナギの動きを妨げることなく、確実に鎌の届かない位置にいる敵を倒していく。
部屋を一回りして、再びシンと背中合わせに立ったナギの口元に、笑みが浮かんだ。
「…よく、避けたな?」
「まったくだ。もう少し、俺の足場も確保しろ」
ナギの鎖を巧みに避けながら駆けていたシンは、少し弾んだ息で答えた。
