ゆく時の流れは絶えずして、しかも、もとに戻らず。
脳裏に浮かぶ単語は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にあるテスト、またかくのごとし。
たましきの解答用紙のうちに、文字を並べ、難度を争へる、憎き、いやしき、教師の問題は、時間を経て、解くものなれど、これをまことかと尋ぬれば、正答は稀なり。
あるいは、誤字にて、減点となれり。
あるいは、氏名忘れて、0点となる。
記憶もこれに同じ。
公式は変わらず、単語も多かれど、記憶に残るものは、二三十が中に、わづかに一つ二つなり。
夕べに暗記して朝に忘るる習い、ただ水の泡にぞ似たりける。
知らず、覚えたはずの単語、何処より来りて何処へか去る。
また知らず、たかがテスト、誰の為にか心を悩まし、何によりてか人を喜ばしむる。


以上、知っている人は知っている、方丈記パロディーバージョン。




鴨長明さんが書いた、ちゃんとした原文は、こっち↓

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶ泡沫は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある、人と住処と、またかくのごとし。
たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、いやしき、人の住ひは、世世を経て、尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家は稀なり。
あるいは、去年焼けて、今年造れり。
あるいは、大家滅びて、小家となる。
住む人もこれに同じ。
処も変わらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十が中に、わづかに一人二人なり。
朝に死に、夕べに生るるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。
知らず、生まれ死ぬる人、何処より来りて、何処へか去る。
また知らず、仮の宿り、誰が為にか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。