(雄略)天皇、葛城の山の上に登り幸しき。
ここに大猪、出でき。
     …中略…
かれ天皇問ひて曰りたまはく「然らば、その名を告れ。すなはち、各名を告りて矢を弾たむ」とのりたまひき。
ここに答へて曰さく「吾先に問はえき。かれ、吾先に名のりせむ。我は悪事も一言、善事も一言、言ひ放つ神、葛城の一言主の大神なり」とまをしき。
天皇、ここにおそれ畏みて申したまはく「かしこし。我が大神。うつしおみならむとは、覚らざりき」申して拝み奉りたまひき。


《ややこしい敬語を無くして今風に訳すと》
雄略天皇が、葛城山に登りました。
おっきなイノシシが、やってきました。
    …いろいろとにらみ合いがあって…
天皇が「名前を教えろ。名乗り合ってから、戦おうじゃん」といいました。
巨大イノシシは「いいだろう。私こそ、悪い事も良い事も一言で予言し、実現させる力のある神、葛城に住んでいる、一言主(ひとことぬし)だ」と言いました。
天皇は、これを聞いて態度豹変し「失礼しました、偉大な神様。本当に実在するとは、知りませんでした」と頭を下げました。


もののけ姫を見ている時、
あの巨大イノシシが「オコトヌシ」と呼ばれていて、
ああ、古事記だ…と判った人は、絶対に古典好きだ(笑)

ちなみに、千と千尋を見ていて、ハクの本当の名前を知った時、
うお、古事記と日本書紀の裏歴史だ…と思い当った人は、かなりの古代史好きだ(苦笑)
…くす。
論争があるのですよ。
本来の「大和の国」建国者はニギハヤヒである、という。
藤原不比等と推古天皇によって、歴史書から抹殺されたのだと。

で、そんな歴史でもめちゃめちゃマイナーどころ、
大化の改新から藤原不比等が立身出世する時代を舞台にした漫画がありまして。
長岡良子、という漫画家さんが描いていたんですが。
新たな制度をつくるために、過去の言い伝えや歴史を冷酷に切り捨て、造り替えていく野心家の藤原不比等。
その不比等の前任者で、ある意味正統な歴史や言い伝えを守っていた人間が、大好きだったのです(笑)
ええ、政治闘争の中、壬申の乱目前で早世しちゃいますけど。
その好きなキャラたちを勝手にミニサイズに描いて遊んでいたんですね(笑)

$天網恢恢(てんもうかいかい)-飛鳥時代
というわけで、こっちの絵なら、まあ、カラーでもマシか、と(笑)
うん、竹取物語のあの絵の一年後くらいかな…。