何度も触れていますが、書字障害を持つ中2の息子。

不注意型のADHDは診断済、傾向としてASDっぽさもあると医師に言われています。


書字の方は日本語の読み書きでもあるようですが、中学受験勉強でビシバシ負荷をかけたのが訓練になったという事らしく、克服したのでしょうとの検査結果でした。


ですが中学で英語が始まり、ドンガラガッシャーン⚡モノのカオスっぷり。インタープリは何だったのか?


そんな試練満載の中学生活ですが、一貫校なので中1の時点で大学入試を考えるわけです。


書字障害(ディスレクシア)専門の英語塾にも通い、一般入試を時間延長や読み上げ等の配慮を受けて戦うか、総合型選抜(AO)に全振りして徹底的に小論文対策をするか…の選択を1年後に塾で迫られる訳です。


両方すれば?と最初は思ったのですが、ディスレクシア持ちが一般入試を受けるために必要なトレーニングは凄まじい苦労を強いられるらしく、両立は無理ですとの事。


困難の度合いが比較的高い息子はAOに全振りするしか無いと思っていましたし、指導してくれる先生も息子のキャラクターの面白さ、着眼点の特殊さが光るのはAOではないだろうか…とのご意見でした。


ですが、息子はAO対象の学部(理系)にそこまで魅力を感じていない様子。まだ絞れてないですが、文系のほうが興味深い分野がありそうです。


文系で英語避けるなんて無理や…という私に閃いた第三の道がコレ。

凄く意欲的に勉強しています。


トイレ勉強も追加(笑)



これはAOになってもプラス材料なので検定を取っていきたいです。


そんな話を週末夫にしたら渋い顔。


「男は理系に行かないと。就職にも有利だよ」

「僕だってそんなに理系が好きってわけでも数学が得意だった訳でもないけど、何となく入ってもそのうち道が拓けるよ」

という昭和な…というより定型発達ならそれで良いでしょうよ〜という反応をされてしまいました。


夫は中高とヨーロッパ。帰国子女枠で某私大の理工学部で修士まで。当時の帰国子女枠って甘かったのよね、まだ帰国子女珍しかったから。今はもう…苛烈。


私の実家も男は全員理系です。

父親→東大工学部(理科I類)

弟1号→駅弁国立大学理学部

弟2号→某私大理工学部


夫の父親も建築。元夫の父親は医師。


家系的にはバリバリの理系なのですが息子は文系のニオイがする。でも書字障害。


総合型選抜は学力だけでは評価できない、人物像のアピールなので学習に限定的な困難のある子には適しているはずなのですが、今朝こんな記事を見てドキっとしました。 

そんなに好きでもない、そこまで打ち込めない分野でAOを受けるという悲劇。


息子のように拘りのある子を無理に理系に行かせたら潰すのでは?と心配になりました。


そんな事を考えていたら実家のことを思い出しました。


実は弟2号は私と歳が離れていて、母が溺愛して育てました。私と弟1号は経済的に国立大学しか選択肢になかったのですが、その間出世しまくった父親のお陰で弟2号だけは私大に入学させてもらえました。


やはり、実家でも「男は理系に行くべき」という価値観があり、フワフワしていて意思の弱い弟2号は一浪で理工学部へ進学。「修士は当然」という父親の意見に逆らうでもなく、何となく大学へ行っていました。


そんな弟2号がある日、泣きながら両親に電話をしてきて


大学院なんて行けない、学部の内容すらついて行けてない。卒業はなんとかできるからこれ以上は勘弁してほしい。


と訴えたそうです。この時、弟2号が初めて自分の気持ちを両親に言ったのです。


何をするにも自信がなく、流されて進んだけれど周囲との能力差に耐えられなくなったんだと思います。それで奮起するほどのエネルギーもない。


そんな状態で卒業して、その辺は腐っても理系なのかSEとして働き始めました。しかし多忙を極め、元々弱い精神の持ち主なので消耗してしまい、そんな時に根拠のない自信満々の女性に出会います。


彼女はとにかく弟2号のお坊ちゃんぶりを批判したそうです。弱った彼には自分をリードしてくれる女神様に映ったのか…突然彼女と結婚しました。周りの困惑、反対を押し切って、です。


そして我々の心配は的中。家族全員が突然着信拒否、弟の交友関係も断ち切るようになり、旧友も連絡ができないと。10年以上経ってやっと両親とはたまに連絡が嫁経由で来るそうですが、携帯電話を持たせてもらえない。働くと言っていたのに彼女は結婚以来一度も働かず、子供が出来たら哺乳瓶すら洗わない。一度、弟が実家を訪ねて来て「別れたい」とこぼしたそうです。それで良いと思うのですが結局元鞘に。


そんなこんなで潰れてしまった弟2号を見ると、本人にもよく分かっていなかったとはいえ、意に反した進路を流されて選んだ事に発端がある気がしてならないんです。


勿論自分の意志を持つように育たなかった、育てられなかったことが根底にあると思うのですが、例えば何か訴えても親の意向に沿わないから黙殺される…が続けば「言っても無駄」ってなりますよね。


だから、私は夫や周囲が何と言おうと息子が自らの意思で選んだ道を否定することはしません。


私も自由に生きてきて、好きな事がライフワークとなって文句言いながらも良い人生を送っていると思います。


私が息子に常々言っているのは


将来どんな道を選んでも良い。それが人の役に立つ、社会に何かを還元できる事であれば応援する。common goodの精神を忘れず、好きな道を選びなさい。


きっと彼は分かっています。

提案をしつつ、待つのが私の仕事ですね。

あ、ドイツ語はビシバシやらせるけど。