当事者意識を持たせる、メンバーの視点を上げるためのメッセージ | “講師の始め方からコンテンツまで” 講師応援ブログ⤴

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「講師として独立を目指す方」、「副業で講師を行う方」、「社内で研修を実施することが決まった方」、「既に講師を行っているが、異なる分野に取り組みたい方」など講師を始める方、更なる成長を目指す方に役立つ情報を提供していきます。

お客様先で出てくる課題に従業員の「当事者意識がない」「視点が低い」
という内容が挙がることがあります。

残念ながら、これらを変えるのは研修ではなく、日常でしかできません。

言われている本人側に問題があるケースもありますが、会社側に責任が
あるケースもあります。

管理職や先輩が当事者意識が無かったり、自分の与えられた仕事だけを
ただやっていればいいという考え・行動だと、新たに加わった新入社員
や中途社員がどれだけやる気に燃えていても自然にそうなっていきます。

逆に、周囲にそれらが備わっており行動や発信で見せていれば、自然に
当事者意識や視点は身についていくとも言えます。


さて、当事者意識を持ってもらう、メンバーの視点を上げるには、どう
すればいいのでしょうか。

やり方はいくつもありますが、日頃のメッセージを考えてみましょう。

「当事者意識を持とう!」「視点を高く持とう!」

という言葉を何度繰り返し伝えても、残念ながら変わりません。
他人から言われた指示であり、自分事として捉えづらいからです。

更に、これらが意味するものは手段であり、目的ではないからです。


サイモンシネック氏が提唱したゴールデンサークル理論にあるように、
人を動かすにはHOW(手段)、WHAT(何をする)よりもWHY(何のために、
何につながるか)が大切です。

自分にとって行う必要があると分かれば、行動につながります。


皆さんであれば、どういったメッセージを出しますか?


手前みそで恐縮ですが、前職で働いていた際、「自分がこの会社で働い
た証としてこのチーム、会社、社会に何が残せるか」ということを常に
意識して働いてました。
先々、独立するという思いを抱いていたということもありますが、折角、
毎日働くなら、自分はこれをお土産として会社に、社会に置いてきたと
言えた方がかっこいいと感じていたからです。

それは誰かを育てたでもいいし、仕組みを作ったでもいいし、顧客企業
の成長に貢献したでも構いません。その考えでいると、視点は当然自分
ではなく、「もっと上」になりました。自分の仕事以外でも、できるこ
とは何でもやろうという意識が生まれました。

「何が残せるか?」というメッセージは、質問形式なので受けとめる方
も素直に聞き入れやすいですし、当事者意識醸成や視点引き上げに貢献
するだけでなくやりがいの認識、モチベーション向上にもつながります。


こんなメッセージもあります。

「この○○、どうやったら解決できそうだと思う?」

「この○○」に、組織の問題や課題を入れて、相談するのです。

人は、質問されると必ず回答を考えます。

適切な解をだせるかどうかはさておき、組織のことについて考える機会
が増えることで、自然に当事者意識の醸成、視点の引き上げにつながり
ます。


このようなメッセージを、日常で、事ある毎に発信を続けます。
もちろん、育成に関わる自分達が実践していることを原則として。



メッセージ以外にも、効果的な方法があります。

何でもいいので、組織に貢献する役割を与えることです。
自分が役に立っている、貢献できているという実感は自身の存在感の確
認、モチベーションの向上にもつながります。

その役割を果たした後に、承認を行うことで、組織に対する当事者意識
がうまれ、視点も上がり始めます。

 「助かった。ありがとう」「こんなにも役に立った」
 「こんな効果があった」「最近視点が高くなったな」
 「自発的にそんなこともやってくれたの?嬉しいなぁ」


成人するまで子供の責任が親にあるように、部下・後輩の育成の責任は
上司・先輩です。
当事者意識がない、視点が低いと嘆くのではなく、どうやった持たせら
れるか。
それを考えて実施し、育成力を伸ばしていきましょう。